鉄雲母(読み)てつうんも(その他表記)annite

精選版 日本国語大辞典 「鉄雲母」の意味・読み・例文・類語

てつ‐うんも【鉄雲母】

  1. 〘 名詞 〙 鉄分に富む黒雲母。〔鉱物字彙(1890)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄雲母」の意味・わかりやすい解説

鉄雲母
てつうんも
annite

2価の鉄に富む雲母一種で、いわゆる黒雲母の端成分の一つ。金雲母マグネシウムをほぼ2価の鉄で置き換えたもの。鉄に富んだ粘土質岩起源の変成岩や、まれに鉄に富む火成岩中に産する。アルミニウムを3価の鉄で置換されたものがフェリ鉄雲母である。また2価の鉄の3分の1をアルミニウムで、さらにケイ素の3分の1をアルミニウムで置換されたものが、シデロフィル雲母である。黒雲母は、金雲母・鉄雲母・フェリ鉄雲母・シデロフィル雲母の4成分を端成分にもつ雲母の総称と考えればよい。英名は、最初の産地アメリカのマサチューセッツ州アン岬Cape Annにちなんで命名された。

松原 聰]


鉄雲母(データノート)
てつうんもでーたのーと

鉄雲母
 英名    annite
 化学式   KFe2+3AlSi3O10(OH,F)2
 少量成分  Mg,Ti
 結晶系   単斜
 硬度    2.5~3
 比重    3.2
 色     黒緑~黒
 光沢    真珠~ガラス
 条痕    灰緑
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

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