コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

非金属鉱業 ひきんぞくこうぎょう

2件 の用語解説(非金属鉱業の意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

ひきんぞくこうぎょう【非金属鉱業】

非金属鉱物を探査,採掘し選鉱して純度を高め製品として供給する産業。非金属鉱物の主要なものとしては石灰石,ケイ砂,蠟石,ケイ石,ドロマイト,ベントナイト耐火粘土,カンラン石などがある。日本の非金属鉱業の規模は生産金額で2121億円で,鉱業全体の3965億円の5割強を占める。事業所は603で鉱業全体の683の約90%に達する。非金属鉱業のなかで最大の比重を占めるのは石灰石鉱業で,生産金額で1391億円(66%),事業所数で247(41%)である(1995)。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

非金属鉱業
ひきんぞくこうぎょう

非金属鉱物を探査・採掘し、選鉱して品位を高めたり、粒度をそろえて出荷する鉱業の総称。非金属鉱物には、石灰石、ドロマイト、硫黄(いおう)、耐火粘土、ろう石、珪石(けいせき)、長石、滑石など鉱業法で規制されるものと、花崗岩(かこうがん)、砂岩、安山岩、橄欖(かんらん)岩等の岩石類、ベントナイト、酸性白土、珪藻土(けいそうど)、陶石、雲母(うんも)、蛭石(ひるいし)など採石法の規制下に置かれるものが含まれる。一般に、産業や経済の発展は、工業用原料として各種非金属鉱物の需要を高め、その鉱業生産を発展させる。たとえば、セメント工業の発展は石灰石や珪石の需要を、ガラス工業の発展は珪砂の需要を高め、タイル・衛生陶器を含む陶磁器産業は木節(きぶし)粘土、蛙目(かえろめ)粘土、長石、陶石、カオリンの生産を、鉄鋼業や非鉄製錬業の発展は石灰石のほか炉材用耐火煉瓦(れんが)の原料となる耐火粘土・珪石・ドロマイトなどの需要を増大させる。同時に、需要先の産業がいずれも土木建設業や住宅産業などと関連しているため、公共事業や民間投資の動向が非金属鉱業の消長に大きく影響するという特徴をもっている。
 日本の場合、非金属鉱物資源は全体的に豊富で、輸入は石膏(せっこう)、重晶石(じゅうしょうせき)などごく一部に限られ、自給率はきわめて高いが、為替レートの変動によって安価な外国産鉱物が輸入を増やすこともある。国内の代表的な非金属鉱物資源である石灰石は、世界有数の埋蔵量を誇り、その生産量も日本経済の高度成長とともに鉄鋼・セメントの需要を中心に伸びてきた。とくにセメント生産は内需を中心に第二次石油危機までソ連についで世界2位の生産量を維持していたが、安定成長移行後、中国に追い抜かれ、バブル経済崩壊後にはインド、アメリカにも抜かれ世界4位(5000万トン台)に転落している(1991年のソ連崩壊後はロシアは日本を下まわる水準となり、中国、インド、アメリカ、日本という順になった)。石灰石の生産量も、1980年(昭和55)の1億7800万トンをピークに低迷し、その後、バブル経済期に活況を呈したものの、バブル崩壊後、ふたたび生産が低迷し、2003年(平成15)には1億3300万トンまで減少している。
 骨材に占める砂利の割合は、1981年(昭和56)以降砕石に追い抜かれているが、2005年(平成17)時には約1.9億トン(砕石3.4億トン)で、河川砂利の大幅な減少に対し、北海道を中心とする陸砂利の増加が目だっている。石灰石とともに豊富な資源量を誇り、硫酸(りゅうさん)等の原料として、かつては日本を代表する非金属鉱物資源とされてきた硫黄は、1960年代後半からの公害規制の強化と石油の脱硫過程で得られる回収硫黄の生産増に押され、国内鉱山のすべてが閉山した。1985年(昭和60)のプラザ合意以降の円高によるガラス類・陶磁器輸出の落ち込みは珪砂、粘土・陶石の生産に影響を与えたが、珪砂は1973年の536万トンのピークからバブル崩壊後に生産量が一気に落ち込み、2003年(平成15)の生産量は139万トンであった。しかし、ガラス類・陶磁器産業とも高級化(ガラスでは熱反射ガラス・複層断熱ガラスなど)による新たな需要増が期待される。陶磁器原料、耐火煉瓦、製鉄用溶剤、研磨剤等に使われる珪石の生産は、1992年の1396万トンをピークとしつつも、2003年時も1041万トンと比較的安定した生産量を維持している。珪石は光学レンズ用のほか、半導体シリコンの原料として注目されているが、シリコン製造には大量の電気が必要であるため、電力価格の安い中国、ノルウェー、ブラジル、カナダなどからの100%輸入でまかなわれている。[殿村晋一・永江雅和]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

非金属鉱業の関連キーワード元素鉱物鉱業鉱山選鉱粗鉱地下資源非金属品位脈石金属鉱物

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone