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鍵谷カナ かぎや カナ

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

鍵谷カナ かぎや-カナ

1782-1864 江戸時代後期の伊予絣(いよがすり)の創案者。
天明2年生まれ。生家は伊予(愛媛県)の農家。金刀比羅宮(ことひらぐう)参詣の途中,久留米(くるめ)商人のきていた久留米絣に着想をえて考案。一説にはわら屋根ふきかえのとき,竹をしばった跡の斑紋をみて案出したという。元治(げんじ)元年死去。83歳。

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書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

朝日日本歴史人物事典の解説

鍵谷カナ

没年:元治1(1864)
生年:天明2(1782)
江戸後期の伊予絣の考案者とされる人物。伊予国(愛媛県)伊予郡西垣生村今出に生まれる。20歳ころ(享和期)から絣模様の織物製織を始めた。当初は地機にかけた経糸に菜の汁で白斑を染め残す程度のものであったが,60~70歳に達するころには経緯双方の糸を絞り藍染することで,十の字,井筒などの絣模様の製織を実現している。カナが絣製織を始める契機として,久留米絣の模倣から始まったとする説,押竹の斑紋にヒントを得たとする説などがあるが,いずれも伝承に基づくものである。伊予絣は明治20(1887)年ごろから生産量が急増し,それまでの縞物(伊予縞)に代わって伊予地方の織物生産の中心となる。カナはこの伊予絣発展のシンボル的な存在といえよう。<参考文献>賀川英夫編『日本特殊産業の展相』

(谷本雅之)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鍵谷カナ
かぎやかな
(1782―1864)

伊予絣(いよがすり)の創案者。伊予国垣生(はぶ)村今出(いまず)(松山市西垣生町)の農家に生まれる。絣織を考案した動機については、夫とともに讃岐(さぬき)国(香川県)金毘羅(こんぴら)宮に参詣(さんけい)するため船に乗ったとき、客のなかに久留米(くるめ)絣を着ている人を見て心を動かされたといい、また草屋根を葺(ふ)き替えるとき、押さえた竹にくっきりと縄目の斑点(はんてん)の残るのを見て案出したともいう。木綿糸のところどころを糸で縛り、藍(あい)汁に浸して染め、糸を地機(じばた)にかけて織り出し、今出絣とよばれた。一方、菊屋新助という者が考案した効率のよい高機(たかばた)を利用することにより、絣織は農家の子女や、松山城下の町家の内職となり、伊予絣として明治10年(1877)ごろから各地に広まり、やがて旧来の伊予縞(じま)にとってかわった。[伊藤義一]

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世界大百科事典内の鍵谷カナの言及

【伊予絣】より

…伊予は久留米,備後とともに綿絣の主産地。享和年間(1801‐04)に,松山今出(いまず)生れの鍵谷カナがつくり出し今出鹿摺(いまずかすり)とも呼んだ。幕末ごろから縞柄が絣に移行し,1904年には全国一の座を占め県下の主産物であった。…

【絣】より

…また地方によって異なる素材や技術を生かして各地で独特な絣が生まれた。久留米絣の井上伝,伊予絣の鍵谷カナといった江戸時代に絣織を創始したといわれる人々は,各地に育ち始めた素朴な技術を,その地方独自のものに完成した。明治に入るとしだいに量産性と合理性が加わり,工業化・機械化も推し進められていった。…

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