歴史物語のなかで、『大鏡(おおかがみ)』の創始した問答、座談形式の歴史叙述を用いたもの。『大鏡』『水鏡』『増鏡(ますかがみ)』を三鏡(さんきょう)とよび、これに『今鏡』を加えて四鏡(しきょう)ともいう。『秋津島(あきつしま)物語』『月の行方(ゆくえ)』『池の藻屑(もくず)』などは体裁だけ模倣した擬古的な作品である。これらの作品では、まず序文で語り手と聞き手を設定し、それらの人々の問答、座談によって物語が展開し、作者はかたわらでそれを観察しながら筆録する体裁になっている。とくに『大鏡』は、この問答、座談形式が首尾一貫し、歴史の表裏明暗を多角的にとらえて、歴史の真実を照らし出すのに効果をあげているが、『今鏡』『水鏡』は形式的で、問答、座談形式の機能が十分に生かされず、『増鏡』は形式的にも不完全である。
なお、作品名に共通の「鏡」の語は、『今鏡』では亀鏡(きけい)の意で、歴史を鑑戒(かんかい)の資となす考えがうかがえるが、それ以外の作品では、真正なものを映し出す明鏡の意である。
[竹鼻 績]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…平安朝後期成立の歴史物語。文徳天皇の代から後一条天皇の代まで(850‐1025)のことを,かなぶみで書いており,いわゆる鏡物(かがみもの)の第1作。作者不詳。…
※「鏡物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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