朝日日本歴史人物事典 「鑓の権三」の解説 鑓の権三 江戸時代,歌謡に歌われ,近松門左衛門作「鑓の権三重帷子」などの主人公として描かれた人物。元禄期(1688~1704)に流行った歌謡に「どうでも権三はぬれ者だ,油壺から出すやうな男」と歌われ,同10年ごろに大坂の歌舞伎で演じられた。この人物を,近松は,享保2(1717)年に大坂高麗橋で起きた女敵討ち事件を劇化した「鑓の権三重帷子」に登場させた。実際の事件は,松江の松平家中池田文次(軍治)が同家中茶道役正井宗味の妻と密通したというもので(『月堂見聞集』『鸚鵡籠中記』),この文次を劇中では権三としたのである。鑓の権蔵という男伊達が実在したともいう(宗政五十緒「『鑓の権三重帷子』の作劇法」)。 (近藤瑞男) 出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報 Sponserd by
デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鑓の権三」の解説 鑓の権三 やりのごんざ 近松門左衛門の浄瑠璃(じょうるり)「鑓の権三重帷子(かさねかたびら)」の主人公。出雲(いずも)松江藩の表小姓で鑓の名手。名は笹野権三。茶道師範浅香市之進の妻女おさゐとの不義をうたがわれ,女敵(めがたき)討ちにあう。享保(きょうほう)2年(1717)大坂高麗(こうらい)橋でおきた女敵討ちを,元禄(げんろく)期に流行した伊達男(だておとこ)権三の俗謡に仮託して劇化したもの。 出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例 Sponserd by
デジタル大辞泉プラス 「鑓の権三」の解説 鑓の権三(ごんざ) 1986年公開の日本映画。監督:篠田正浩、原作:近松門左衛門による浄瑠璃『鑓の権三重帷子』、脚色:富岡多恵子。出演:郷ひろみ、岩下志麻、火野正平、田中美佐子、竹中直人、浜村純、小沢昭一ほか。 出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報 Sponserd by
歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「鑓の権三」の解説 鑓ノ権三(通称)やりのごんざ 歌舞伎・浄瑠璃の外題。元の外題別誂重帷子初演大正2.7(東京・帝国劇場) 出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報 Sponserd by