門前雀羅を張る(読み)もんぜんじゃくらをはる

故事成語を知る辞典「門前雀羅を張る」の解説

門前雀羅を張る

訪問客がなく、ひっそりとしているようすのたとえ。

[使用例] 私が一週間も居なかった日にゃ、門前雀羅を張るんだわ。手紙一ツ来ないんですもの[泉鏡花*婦系図|1907]

[由来] 「史記きゅうてい伝・賛」に出て来る話から。紀元前二世紀、前漢王朝の時代の中国でのこと。てきこうという人物が高い地位に就いている時には、屋敷には訪問客が絶えませんでしたが、左遷されると誰も来なくなり、「門外雀羅もうくべし(門の外にスズメ捕りのを張っても大丈夫)」というありさま。その後、高い地位に復帰すると、またぞろ人々が押しかけようとしたので、翟公はあきれてしまったということです。この話を踏まえて、八~九世紀、唐王朝の時代の詩人はくきょ(雅号は楽天)は、左遷された人からすぐに離れていく世の人の情を、「賓客すでに散り、門前羅を張る(客人たちはあっという間にいなくなり、門の前はスズメ捕りの網を張れるくらい閑散としている)」とうたっています。

[解説] この翟公のエピソードからは、「一貴一賤、交情すなわち現るという故事成語も生まれています。

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ことわざを知る辞典「門前雀羅を張る」の解説

門前雀羅を張る

訪ねる人がいないので、門前には雀が群がり遊んでおり、網を張って捕らえられるほどである。

[使用例] それにもう内が台なしですからね、私が一週間も居なかった日にゃ、門前雀羅を張るんだわ[泉鏡花*婦系図|1907]

[解説] 「雀羅」は、すずめなどを捕らえる網。門前がさびれているさま。「史記―汲黯・鄭当時伝・賛」にあることばによるもの。

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精選版 日本国語大辞典「門前雀羅を張る」の解説

もんぜん【門前】 雀羅(じゃくら)を張(は)

(「史記‐汲黯・鄭当時伝賛」の「始翟公為廷尉、賓客闐門、及廃門外可雀羅」から) 訪う人がなくて門前には雀が群れ遊び、網を張って捕えられるほどであるということ。門前のひっそりとしてさびしいさまの形容
※棒三昧(1895)〈正岡子規〉「老大と成れば鞍馬稀にして門前雀羅を張るに至る」 〔白居易寓意詩〕

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デジタル大辞泉「門前雀羅を張る」の解説

門前もんぜん雀羅じゃくら

白居易「寓意」から》訪れる人がなくて、門の前にはすずめが群れ遊び、網を張って捕らえられるほどである。訪問する人もなく、ひっそりしていることのたとえ。

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