社会関係の研究を社会学の課題であると考える社会学上の立場。広義には社会関係を重視したオッペンハイマーやフィアカントの立場も含まれるが、狭義にはこの名称を自己の社会学に採用したウィーゼの立場をさす。ウィーゼは基本的にはジンメルの形式社会学の立場を継承したが、その対象である社会化の形式が多義的であると批判し、社会学の対象をより一義的な社会関係に限定すべきであると主張し、関係学を提唱した。彼によれば、人間の間の社会関係は、結合と分離に大別される動的な社会過程であるが、それが反復して繰り返されることによって、安定し様式化した社会関係をつくりだし、この社会関係の累積によって客観的な統一体としての社会形象(けいしょう)が成立する。こう考えて彼は、関係学としての社会学に、社会関係とともに社会過程と社会形象を含めて、その体系化を図った。
[居安 正]