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闇の奥 やみのおくHeart of Darkness

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

闇の奥
やみのおく
Heart of Darkness

イギリスの小説家 J.コンラッド中編小説。 1902年刊。コンゴに派遣された船乗りのマーロー語り手となり,原始の圧倒的な自然を背景に,黒人の文明化という理想を破壊され,カリスマ的力で先住民を支配して略奪貿易を推進する白人クルツの死を語る。アフリカでの体験をもとにした,コンラッドの代表作の一つ。

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デジタル大辞泉の解説

やみのおく【闇の奥】

《原題Heart of Darknessコンラッドの中編小説。1899年発表。欧州文明による植民地支配を主題とする。

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大辞林 第三版の解説

やみのおく【闇の奥】

コンラッドの小説。1902年刊。コンゴの植民地に赴いた白人クルツが、原初的な世界を目のあたりにして自己崩壊していく過程を、語り手マーロウの目を通して語る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

闇の奥
やみのおく
Heart of Darkness

イギリスの作家コンラッドの中編小説。1899年刊。マーロウ船長が、アフリカの奥地を訪ねたときの経験を語る、という形で書かれている。地図を見て暗黒世界の魅力に抗しきれず、コンゴ川をさかのぼった彼が現地で見たものは、人間性の暗黒だった。交易と称して実は支配と搾取を続けながら、自らも精神的に荒廃してゆく白人たち。とくに興味をひき強烈な印象を与えるのは、クルツという人物である。彼は現地人たちに神のごとく畏敬(いけい)され、象牙(ぞうげ)の収奪に狂気じみた執念を燃やす男であり、その最期をみとったマーロウは、巨大な空虚を感じて慄然(りつぜん)とする。異様な雰囲気とともに人間性の恐るべき深淵(しんえん)を象徴的に描いた名作。[高見幸郎]
『中野好夫訳『闇の奥』(岩波文庫)』

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