阿上三所神社(読み)あじようさんしよじんじや

日本歴史地名大系 「阿上三所神社」の解説

阿上三所神社
あじようさんしよじんじや

[現在地名]和知町字坂原

坂原さかはら集落の中心部に鎮座する。祭神国常立尊・伊弉諾尊伊弉冊尊。旧村社。江戸時代には「阿上大明神」と称した(寺社類集)

創立は、承久の乱後武蔵国片山かたやま郷から来住した新補地頭片山氏の後裔三郎左衛門尉平高親が、武運長久を祈願して観応元年(一三五〇)隣村本庄ほんじよ村に鎮座する阿上神社より分祀したと伝える。以後弘和三年(一三八三)片山親忠により、さらに応永七年(一四〇〇)には片山重光によって、修復や改築が行われている。現在の社殿は天保六年(一八三五)に建て替えたものである。

坂原・なか安栖里あせりの三集落を氏子とし、祭礼は現在一〇月一〇日が本祭であるが、かつては大祭は九月九日で、重陽節供の祭であったと思われる。


阿上三所神社
あじようさんしよじんじや

[現在地名]和知町字本庄

本庄ほんじよ集落に向かって突出した丘陵の西麓に鎮座する。祭神豊受比売命・三穂津比売命・誉田別命。旧郷社。

天明四年(一七八四)火災に遭い旧記を焼失したので沿革など詳細にはわからない。しかし、本庄という地名や社伝から考えて、中世和智わち庄の総社であったと思われる。伝えによると、当社は貞観(八五九―八七七)以前は当社背後の天王てんのう(遺跡がある)に鎮座していたといい、農蚕業に関係が深かったようである(明治神社誌料)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の阿上三所神社の言及

【和知[町]】より

…丹波高地にあって町域のほとんどは山地で,西流する由良川に注ぐ上和知川,高屋川の沿岸にわずかに平地がある。中世には仁和寺領和知荘があり,同荘の鎮守としてまつられた阿上三所(あじようさんしよ)神社は本庄(ほんじよ)にあり,のち地頭の片山氏によって坂原と下粟野にも分祀された。江戸時代は園部藩領で,水路をひいて子来(ねごろ)新田などが開発されている。…

※「阿上三所神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android