阿武隈石(読み)あぶくませき(その他表記)britholite-(Y)

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿武隈石」の意味・わかりやすい解説

阿武隈石(あぶくませき)
あぶくませき
britholite-(Y)
abukumalite

燐灰石(りんかいせき)グループに入る鉱物で、希土類元素を含むのが特徴である。微弱な放射能がある。短柱状ないし柱状の結晶で、黒褐色でピッチのような外観をもつ。1938年(昭和13)畑晋(はたすすむ)によって、阿武隈高地にある福島県川俣(かわまた)町水晶山の花崗(かこう)岩質ペグマタイト中から発見された。その後岐阜県中津川(なかつがわ)市蛭川(ひるかわ)、ロシア連邦などからもみつかっている。和名は阿武隈石だが、英名はブリソライトのイットリウム(Y)置換体を意味するブリソライト‐ワイが一般的である。

松原 聰]


阿武隈石(データノート)
あぶくませきでーたのーと

阿武隈石
 英名    britholite-(Y),abukumalite
 化学式   (Ca,Y)5(SiO4,PO4)3(OH,F)
 少量成分  Ce,Fe,Mn,Al
 結晶系   六方
 硬度    5
 比重    4.3~4.6
 色     褐黒
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照


阿武隈石(あぶくまいし)
あぶくまいし

阿武隈石

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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