日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿武隈石」の意味・わかりやすい解説
阿武隈石(あぶくませき)
あぶくませき
britholite-(Y)
abukumalite
燐灰石(りんかいせき)グループに入る鉱物で、希土類元素を含むのが特徴である。微弱な放射能がある。短柱状ないし柱状の結晶で、黒褐色でピッチのような外観をもつ。1938年(昭和13)畑晋(はたすすむ)によって、阿武隈高地にある福島県川俣(かわまた)町水晶山の花崗(かこう)岩質ペグマタイト中から発見された。その後岐阜県中津川(なかつがわ)市蛭川(ひるかわ)、ロシア連邦などからもみつかっている。和名は阿武隈石だが、英名はブリソライトのイットリウム(Y)置換体を意味するブリソライト‐ワイが一般的である。
[松原 聰]
[参照項目] |
| | | | | [補完資料] |