阿諛追従(読み)アユツイショウ

デジタル大辞泉 「阿諛追従」の意味・読み・例文・類語

あゆ‐ついしょう【××諛追従】

[名](スル)相手に気に入られようとして、大いにびへつらうこと。「上役阿諛追従する」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

四字熟語を知る辞典 「阿諛追従」の解説

阿諛追従

人に気に入られようとして、おせじを言ったりへつらったりして機嫌をとること。

[使用例] その老人に茶坊主の如く阿諛追従して、まったく左様でゴゼエマス、大衆小説みたいですね、と言っている卑しく痩せた俗物作家、これは論外太宰治如是我聞|1948]

[使用例] ティベリヤユリアの町ではローマ風の神殿や建物が建てられ、領主ヘロデ・アンテパスはそれに阿諛追従している[遠藤周作イエス生涯|1973]

[使用例] 武家の世界だから阿諛も追従もない、というわけにはいかず、実際には家の保全とか、立身出世とかのからみで物も動けば金も動くのが常識である[藤沢周平*たそがれせい|1988]

[解説] 「阿」は「おもねる」、「諛」は「へつらう」。「追従」も機嫌を取ることで、つまり「阿諛追従」は、上位者にへつらうことを硬く言った表現です。日本語で使われる四字熟語で、中国語では「阿諛ほうしょう」などと言います。
 「追従」は、もともと「つき従う」という意味です。今も「ついじゅう」と読んで「前の車に追従する」などと使います。人につき従って気に入られようとするところから、「機嫌を取ること」という日本語独自の意味が生まれました。
 二一世紀になって、この「阿諛追従」に似たことばが広まりました。「社長そんたくする」などの「忖度」がそれです。もともと「忖度」は単に推測のことですが、二〇世紀末から「有力者意向に忖度する」など、気に入られるように考えて行動する意味が現れました。
 「阿諛追従」「忖度」と言うと高級な感じがしますが、やっていることはくだらないことです。「おべっか」とか「ごますり」とか、もっと簡単なことばで表現してもいいところです。

出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報

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