如是我聞(読み)ニョゼガモン

デジタル大辞泉 「如是我聞」の意味・読み・例文・類語

にょぜ‐がもん【如是我聞】

仏語。このように私は聞いた、の意。経典冒頭に記される語。経典中の釈迦しゃか言動を、経蔵編集者とされる阿難が聞いたことを示す言葉

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精選版 日本国語大辞典 「如是我聞」の意味・読み・例文・類語

にょぜ‐がもん【如是我聞】

  1. 〘 名詞 〙 ( このように私は聞いたの意 ) 仏語。経の冒頭に書かれていることば。経典が編集された時、その経が間違いなく釈迦のことばであることを示そうとしたことば。また、聞いたことを信じて疑わないことを示したことば。
    1. [初出の実例]「然れば、阿難、礼盤に昇て如是我聞と云ふ」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
    2. [その他の文献]〔仏地経論‐一〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「如是我聞」の意味・わかりやすい解説

如是我聞
にょぜがもん

仏教の経典では、原始経典でも大乗経典でもすべて、その冒頭に「如是我聞一時仏在……(地名)」という句をもつ。その経典の内容は、仏陀(ぶっだ)がどこそこにおられたときに説かれたものを筆者(我)が確かに聞いたものだ、と示す趣意である。漢訳では「私はこのように聞いた。あるとき仏陀は某所におられた……」と読んでいるが、サンスクリット語パーリ語、チベット語訳などでは「あるとき私はこのように聞いた。仏陀は某所におられた……」と、「一時」を上句にかけて読むこともできる。注釈家や現代学者もその二様の読み方を認めている。

梶山雄一

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四字熟語を知る辞典 「如是我聞」の解説

如是我聞

経典の冒頭に記されている言葉で、このように私は聞いたの意。

[使用例] 如是我聞、仏説阿弥陀経、声は松風して心のちりも吹き払わるべき御寺様より生魚あぶるけぶなびきて[樋口一葉たけくらべ|1895~96]

[解説] その経が間違いなく釈迦の言葉であることを示すために添えた語。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「如是我聞」の意味・わかりやすい解説

如是我聞
にょぜがもん

仏教経典の冒頭の語句。 evaṃ mayā śrutaṃの訳で,「このように私は聞いた」の意。この場合の「私」は釈尊侍者でもあった阿難をさすと考えられている。なお古くから,如是我聞の 4字を 2字ずつ分析して,教理的解釈が与えられた。

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