家庭医学館 「陰茎形成性硬結症」の解説
いんけいけいせいせいこうけつしょう【陰茎形成性硬結症 Plastic Induration of the Penis】
パイロニー病とも呼ばれ、陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)の白膜(はくまく)や中隔に線維性のしこり(硬結)ができる病気です。
勃起(ぼっき)すると陰茎が曲がり、疼痛(とうつう)がおこります。十分な勃起ができず、性交障害の原因となることもあります。
慢性陰茎海綿体炎(まんせいいんけいかいめんたいえん)(コラム「慢性陰茎海綿体炎」)、糖尿病、痛風(つうふう)(「高尿酸血症/痛風」)、外傷などとの関連が疑われていますが、原因はわかっていません。
[検査と診断]
以前に外傷や炎症などがあったかどうかが参考になります。しこり(硬結)は陰茎の背にできることが多く、索状のものから板状で骨のようなものまで、さまざまな形があり、視診、触診で診断できます。勃起すると硬結のある方向に曲がります。
[治療]
とくに有効な治療法はありませんが、硬結そのものは無害と考えられますし、自然によくなることもあります。
インポテンスの原因となったり、痛みがおこる場合には、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンの局所注射ないし内服、ビタミンEの内服、ヘパリン類似物質や非ステロイド系消炎鎮痛薬の軟膏(なんこう)の塗布などが試みられます。
手術で硬結をとることもありますが、手術あとの瘢痕(はんこん)組織が硬化して、手術前より悪化することがあります。
[日常生活の注意]
50歳前後に多い病気です。この病気らしいと思ったら、泌尿器科(ひにょうきか)などの専門医の診断を受けることを勧めますが、十分な改善が得られない可能性のあることを知っておく必要があります。