陽願寺(読み)ようがんじ

日本歴史地名大系 「陽願寺」の解説

陽願寺
ようがんじ

[現在地名]武生市本町

出雲山と号し、浄土真宗本願寺派本尊阿弥陀如来。開基善鎮は戦乱を避けて越前に移り、本願寺八世蓮如に帰依して正闡坊の名を与えられ、文明一五年(一四八三)広瀬ひろせ(跡地あり)一宇建立、同一七年寺号を許されたという。天正年中(一五七三―九二)三代善徳のとき府中ふちゆう城主青木紀伊守秀以の帰依を受けて現在地に移った。慶長二年(一五九七)院家の寺格を与えられ、のちに府中御堂と称して南越の西本願寺末諸寺院中の惣禄(触頭)となった。また西光さいこう寺・正立しようりゆう(現福井県鯖江市)とともに河南十二日講を起こした(西光寺文書)

陽願寺
ようがんじ

[現在地名]苫小牧市矢代町二丁目

苫小牧市街の西側に位置する真宗大谷派寺院。近くに苫小牧日翔病院がある。本尊は阿弥陀如来。明治四三年(一九一〇)石川県出身の僧出雲路薫が当地に移住して説教所を現在のにしき町二丁目に設置し、布教活動を開始した。大正一〇年(一九二一)大火は苫小牧町の市街一千七戸を焼尽したが、幸いにも説教所は難を免れ、避難民の宿泊所となった。その後もルンペン(無職者)病人が説教所を利用するようになり、経済不況の始まる昭和二年(一九二七)には洗心せんしん院無料宿泊所の名のもと、これらの人々を受入れた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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