日本歴史地名大系 「雀松原」の解説 雀松原すずめのまつばら 兵庫県:神戸市東灘区魚崎村雀松原現魚崎西(うおざきにし)町・魚崎南町の海岸一帯に比定される。灘の海岸は砂浜が続き、浜辺に松林が断続して白砂青松の風景に優れ、雀松原をはじめ御影(みかげ)の松、深江(ふかえ)の踊松などは近世の名所記には必ずみえる。「源平盛衰記」巻一七には徳大寺実定が福原(ふくはら)から京へ帰る途中訪れた名所の一つに雀の松原をあげる。「平家物語」巻九では「雀の松原・御影の松・昆陽野の方をみわたせば」と源頼朝の弟範頼軍の陣所で焚く遠火を描写している。「応仁別記」によると建武二年(一三三五)後醍醐天皇は赤松円心親子に上洛を命じるが、足利尊氏討伐に向かった新田義貞が敗れたと聞き、円心らは一二月一二日雀松原で引返したという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by