雄基(読み)ゆうき(その他表記)Unggi

改訂新版 世界大百科事典 「雄基」の意味・わかりやすい解説

雄基 (ゆうき)
Unggi

朝鮮民主主義人民共和国,咸鏡北道北部の郡。豆満江を隔ててロシアと接する国境地帯にある。溺れ谷の雄基湾は水深が深く天然の良港をなす。1921年に開港し,豆満江上流方面そして中国東北部へ連絡する鉄道が開通してから,雄基市は日本~北部朝鮮~中国を結ぶ交通上の要衝として発達した。第2次大戦後は,日本,中国との関係を絶ち,阿吾地褐炭,豆満江上流の木材が開発され,それらを清津など日本海沿岸の工業地帯へ供給する拠点となっている。雄基港は冬結氷するが,メンタイスケトウダラ)など日本海漁業の最北基地とされている。1930年代初めに雄基市に近い竜水湖畔で打製石器や磨製石器,櫛目文土器,無文土器などを含む大規模な雄基貝塚が日本人学者の手によって発掘され,解放後は朝鮮人学者によってその層序関係が解明されつつある。また60年代には付近で旧石器時代の屈浦里(くつぽり)遺跡も発掘された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雄基」の意味・わかりやすい解説

雄基
ゆうき / ウンキ

北朝鮮、咸鏡(かんきょう)北道にある港市。日本海に面し、同国の最北端に位置する。港は豆満江(とまんこう)の河口より西へ24キロメートルの所にあり、造山湾頭の雄基盆地に迫る溺(おぼ)れ谷に発達している。港はおもに漁港に使われている。冬季は結氷するが、航行には支障がない。近海はメンタイ(スケトウダラ)の豊漁場で水揚げが多く、水産加工が行われている。最近は原油を加工する大規模な化学基地が建設された。このほか化学工業、窯業の地方企業体がある。市の西郊の竜水湖畔には雄基貝塚があり、市の東方20キロメートルの日本海沿岸には旧石器時代の遺跡屈浦里(くっぽり)がある。

[魚 塘]

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