改訂新版 世界大百科事典 「雪まくり」の意味・わかりやすい解説
雪まくり (ゆきまくり)
春先に雪が降った翌日,晴れ上がったりすると,山の斜面では,木の枝などから落ちてきた小さな雪の塊が湿った雪面の上をころころ転がりながらロールケーキ状に巻かれた円板ないし円筒状の雪がよくみかけられる。平地でも,表面の新雪層が暖気で湿ったとき突風が吹くと雪面がまくられ,それが雪の上を転がって雪まくりができることがある。雪まくりは湿った雪の粘着力で雪がくっついてできるので,天然の雪だるまともいえる。大きさは直径,幅とも数十cm。山形県の庄内平野のように強風の吹くことが多い雪国でよくみられる。同地方では雪まくりが米俵に似ていることから,俵雪あるいは雪俵と呼んでいる。
執筆者:若浜 五郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報