変曲点(読み)ヘンキョクテン

デジタル大辞泉 「変曲点」の意味・読み・例文・類語

へんきょく‐てん【変曲点】

曲線の、上に凸の状態と上に凹の状態との変わり目の点。この点で引いた接線に対し、曲線の一方と他方とは異なる側にある。

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共同通信ニュース用語解説 「変曲点」の解説

変曲点

曲線の曲がり具合が変化する点。転じて時代の分かれ目を指す。英語はインフレクション・ポイント。「世界は100年に1度の大変動期」(中国習近平しゅう・きんぺい国家主席)、「欧州はツァイテンウェンデ(時代の転換点)にある」(ドイツのショルツ首相)などの認識と同じく、バイデン大統領も「米国は(歴史の)変曲点にある」と繰り返している。

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精選版 日本国語大辞典 「変曲点」の意味・読み・例文・類語

へんきょく‐てん【変曲点】

  1. 〘 名詞 〙 曲線が上に凸の状態から上に凹の状態に変わる点や、上に凹の状態から上に凸の状態に変わる点などのように、曲線の凹凸の状態が変わる点のこと。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「変曲点」の意味・わかりやすい解説

変曲点
へんきょくてん

曲線が凹凸の状態を変える点をいう。xy平面上の曲線y=f(x)は、axbにおいて、その点の任意の2点P1(x1,f(x1)),P2(x2,f(x2))をとるとき、その間にある曲線上の点が、つねに線分P1P2より下側にあるならば下に凸(あるいは上に凹)、つねに上側にあるならば上に凸(あるいは下に凹)という(の(1))。このとき、f(x)は、x=a,x=bを除いては連続、かつ各点において、片側微分係数をもつ。また、f″(x)が存在すれば、y=f(x)は、f″(x)≧0が成立する区間で下に凸、f″(x)≦0が成立する区間で上に凸である。

 曲線y=f(x)において、ある点x=cについて、その近くで、xcに対して下に凸、xcに対して上に凸(あるいはその反対)であるならば、点P0(c,f(c))はこの曲線の変曲点である(の(2))。もし、x=c近傍において、f″(x)が存在し、f″(x)がx=c前後符号を変ずるならば、P0(c,f(c))はこの曲線の変曲点である。変曲点で曲線に接線を引くと、変曲点の前後において、曲線はこの接線の反対の側にある。また、変曲点の前後において、曲率の符号は逆になる(変曲点では曲率は0)。

[竹之内脩]


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改訂新版 世界大百科事典 「変曲点」の意味・わかりやすい解説

変曲点 (へんきょくてん)
point of inflection

関数yfx)のグラフCとする。この関数の定義域に含まれる区間Iの任意の二つの値xx′に対するC上の点をPxfx)),P′(x′fx′))とするとき,Cの弧PP′が両端を除いてつねに線分PP′の下方にあるならば,CIで下に凸であるという。反対に弧PP′が両端を除いてつねに線分PP′の上方にあるならば,CIで下に凹であるという。導関数f′(x)が増加する区間ではCは下に凸で,f′(x)が減少する区間ではCは下に凹である(図1)。一般にCには下に凸である区間と下に凹である区間がある。C上の点Aafa))を境としてCの凹凸の状態が変わるとき,ACの変曲点という。変曲点Aの近傍でAによって分かたれるCの二つの部分Aにおける接線の反対側にある(図2)。f″(a)=0であって,xaの前後でf″(x)の符号が変われば,Aafa))は変曲点である。とくに,奇数nに対してが成り立てば,Aafa))は変曲点である。
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百科事典マイペディア 「変曲点」の意味・わかりやすい解説

変曲点【へんきょくてん】

平面曲線の曲率が符号を変える点をその曲線の変曲点という。直角座標上の曲線の方程式をy=f(x)とするとき,f″(a)=0で,x=aの前後でf″(x)の符号が変われば,点(a,f(a))は変曲点である。
→関連項目極大・極小

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「変曲点」の意味・わかりやすい解説

変曲点
へんきょくてん
point of inflection

曲線 C上の1点Pで接線が存在し,しかも点Pの付近で,点Pで分けられた曲線 Cの2つの部分が,それぞれPの接線の異なる側にあるとき,点Pを曲線 Cの変曲点という。

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世界大百科事典(旧版)内の変曲点の言及

【褶曲】より


[単一の褶曲に関する術語]
 単一の褶曲断面において,褶曲面の曲率が最大になる点をヒンジhingeといい,ヒンジを結んでできる線をヒンジ線または褶曲軸という(図2)。ヒンジの両側の曲率の小さい部分を翼または脚といい,曲率0の点を変曲点という。一つの褶曲を構成する複数の褶曲面のヒンジ線をすべて含む面を褶曲軸面(ヒンジ面)ないし単に軸面と呼ぶ。…

※「変曲点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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