搭載されたバッテリーとモーターがペダルをこぐ力を補助するため、坂道でも楽に走行できる。バッテリーは取り外して家庭用コンセントで充電。道交法では、一般的な自転車と同様に扱われる。同法施行規則でペダルをこぐ力に対して補助できる比率が定められており、時速10キロ未満ではこぐ力の2倍までで、時速24キロ以上は補助されない。
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走行中のペダルをこぐ力を、電動モーターが補助(アシスト)する仕組みの自転車。搭乗者がペダルをこがないと走行しない構造になっており、電動モーターのみで走行が可能な電動自転車とは区別される。1993年(平成5)、ヤマハ発動機が世界で初めて発売し、世界各国で普及した。国・地域によって最高速度・最大出力などの規制が異なる。日本では、道路交通法施行規則で「人の力を補うため原動機を用いる自転車」と定め、時速24キロメートルまでアシスト機能が働き、時速24キロメートルを超えると補助がなくなるものとしている。搭乗に免許は必要としない。リチウムイオン電池などを電源にしてモーターを駆動させるタイプが主流で、通常3~6時間の充電で30~80キロメートルのアシスト走行が可能であるが、バッテリー容量が大きく100キロメートル以上の長距離をアシスト走行できる機種もある。坂道の下りなどモーター不使用時に充電する機種、折り畳みタイプ、「eバイク(e-bike)」とよばれるデザイン性に富んだスポーツタイプなど、機能やデザインの多様化が進んでいる。
こぎ始めや上り坂を楽に走行できるため、当初、高齢者などの利用が想定されたが、2009年(平成21)に幼児2人を乗せる「3人乗り自転車」の利用が解禁され、子育て世代の利用が進んだ。2011年の東日本大震災後には公共交通機関の代替手段として、また、新型コロナウイルス感染症(COVID(コビッド)-19)流行時には密を避ける通勤・通学手段としてそれぞれ関心を集め、普及が進んだ。行政機関や観光地での利用、シェアサイクル・宅配事業での採用、地方自治体による購入費の一部補助、住民への貸出しなどの動きが広がり、一部の学校では電動アシスト自転車が通学用として認められている。新型コロナウイルス感染症の影響で、感染リスクの少ないスポーツとしてサイクリングを趣味とする層が増え、2020年(令和2)以降、スポーツタイプの機種が「eバイク(e-bike)」という呼称で売上げを伸ばしている。eバイクは200キロメートルといった長距離のアシスト走行が可能な機種もあり、海外製の輸入が増えたほか、国内メーカーも相次いで発売した。経済産業省の生産動態統計調査によると、電動アシスト自転車の国内販売台数は2009年に原動機付自転車を抜き、2018年には一般の自転車(軽快車)を上回り、2020年には年間74万台に達し、台数で自転車全体の45%、売上げでは80%を占めるに至った。
[矢野 武 2023年5月18日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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