青城山と都江堰水利〈灌漑〉施設(読み)せいじょうさんととこうえんすいり〈かんがい〉しせつ

世界遺産詳解 の解説

せいじょうさんととこうえんすいり〈かんがい〉しせつ【青城山と都江堰水利〈灌漑〉施設】

2000年に登録された中国の世界遺産(文化遺産)。都江堰(デゥジャンイェン)は、四川省の省都成都の西方にある都市。この一帯平原は、肥沃な土壌と豊かな作物に恵まれた、古くからの農産物の供給地である。この豊かな大地をつくってきたのは、中国の戦国時代(紀元前3世紀頃)に建設された巨大な水利施設である。都江堰はこの水利施設の名前であり、これが都市名になった。この水利施設は、灌漑と干ばつ時の水流を自動制御できるしくみを持った高度なもので、現在も6700km2にも及ぶ広大な田畑を潤している。一方、青城山(チンチャンシェン)は、都江堰の西にある山地連山)である。環状に連なる緑豊かな峰々(36峰)が城郭のように見えるため、青城山の名がある。ここはチベット高原の東端にあたる名勝であると同時に、原始道教一派である五斗米道(天師道)の発祥地として知られる。五斗米道の創始者の張道陵(張陵)は143年、この地で教えを開いた。このため、主峰の老霄頂(標高1600m)を中心に、上清宮、天師洞、建福宮など38の古い道宮・道観(道教の寺院)と庭園が点在している。◇英名はMount Qingcheng and the Dujiangyan Irrigation System

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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