韶関(読み)しょうかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「韶関」の意味・わかりやすい解説

韶関
しょうかん / シャオコワン

中国広東(カントン)省北部の地級市。曲江(きょくこう)、武江(ぶこう)、湞江(ていこう)の3市轄区、4県と1自治県を管轄し、楽昌(らくしょう)、南雄(なんゆう)の2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口326万4900(2012)。珠江(しゅこう)水系北江源流である武水と湞水(とうすい)の合流点に位置し、京広線に沿う。広東、湖南(こなん)、江西(こうせい)3省の交通の要衝で、漢代から開けた古い町である。付近に鉄鉱山や炭坑があり、鉄鋼業を中心に機械、電機、化学などの工業が盛んである。市内に風采楼(ふうさいろう)、郊外に南華禅寺や唐代の名臣張九齢(ちょうきゅうれい)の墓があり、曲江区の名勝獅子岩(ししいわ)では、馬壩(ばは)人とよばれる更新世後期の化石人骨が発見されている。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年1月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「韶関」の意味・わかりやすい解説

韶関 (しょうかん)
Sháo guān

中国,広東省北部の工業都市。人口54万(2000)。楽昌市と6県,1自治県を管轄する。戦国時代は楚の領域,秦・漢時代は桂陽県の地で,漢代ここに曲江県が置かれた。唐代は詔州,明・清時代は詔州府の治所であった。北江の二大支流湞水と武水の合流点で,市は両河に三面をめぐらされ半島状を呈する。武水をさかのぼれば湖南に,湞水をさかのぼれば江西に通じ,南へ下れば珠江三角州に達する。唐・宋以後,広東貿易が盛んであったころには中原に向かう貨物は必ずここを通過した。韶関の名もここに税関が設けられたことによる。現在は京広鉄道(北京~広州)が通る。省北部最大の都市で経済の中心地。建国後,冶金工業を柱に重工業が急速に発達した。
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百科事典マイペディア 「韶関」の意味・わかりやすい解説

韶関【しょうかん】

中国,広東省北部の都市。旧名曲江。京広鉄路に沿い省北部の経済の中心。湖南・江西両省からの貨物の中継地をなし,また北江上流域物資を集散。付近に石炭アンチモンタングステンなどを産し,華南の重要工業都市に発展しつつある。92万人(2014)。

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