順風満帆(読み)ジュンプウマンパン

デジタル大辞泉 「順風満帆」の意味・読み・例文・類語

じゅんぷう‐まんぱん【順風満帆】

追い風を受け、帆がいっぱいにふくらむこと。転じて、物事が順調に思いどおりに運ぶことのたとえ。「順風満帆人生
[補説]この語の場合、「帆」を「ほ」とは読まない。

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精選版 日本国語大辞典 「順風満帆」の意味・読み・例文・類語

じゅんぷう‐まんぱん【順風満帆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 船が帆に追い風をいっぱいに受けて快く進むこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「順風満帆の宝船のやうな大きな南蛮船が描いてある」(出典:かるさん屋敷(1953)〈井伏鱒二〉竜舌蘭)
  3. 物事が非常に順調であること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「野球部は順風満帆(ジュンプウマンパン)の勢ひで進んだ」(出典:日本野球史(1929)〈国民新聞社運動部〉慶応の新野球術)

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四字熟語を知る辞典 「順風満帆」の解説

順風満帆

船が帆に追い風をいっぱいに受けて快く進むこと。また、そのように物事が滞りなく順調に進むたとえ。

[使用例] たまたま劇団は一つの脱皮期で、それに乗じた彼の名声は一六〇〇年頃までまことに一人舞台に順風満帆といふがいがあった[中野好夫*ルネサンス人シェイクスピア|1947]

[使用例] 若いころはもっときかなくて、ファイトがあったような気がするのです。自分でいうのはおかしいが、いままで順風満帆できすぎたせいかもしれません[渡辺淳一*雪舞|1973]

[使用例] 人生順風満帆なんでしょね。お宅が恋愛問題で悩んでるなんて話、ついぞ聞いたことないしね[新井素子*宇宙魚てんまつ記|1980]

[解説] 「順風に帆を揚げる」という言い方があります。ものごとがすべてうまくいくという意味です。「順風満帆」は、それを四字熟語で表したものです。
 用例は戦前からありますが、戦前の国語辞典には載っていません。『広辞苑』に載ったのは一九八三年の第三版から。戦後になって一般化したことばです。
 読み方にも問題があります。「満帆」を「まんぽ」と読むのは誤り、「まんぱん」が正しいとされます。ところが、一九八〇年のN H Kによる有識者アンケートでは、約五割が「まんぱん」と答えたのに対し、「まんぽ」と読むという答えも約三割ありました。その少し後には、日本語研究者が雑誌で「『まんぽ』のほうがしっくりする」とも述べています。
 「順風満帆」は、戦後に広まり、「満帆」の読みも「まんぱん」「まんぽ」と両方ありましたが、次第に「まんぱん」が正しいと意識されるようになってきました。ことばの「正解」は、比較的最近に定まったものもあるのです。

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とっさの日本語便利帳 「順風満帆」の解説

×順風満帆[ぽ]

○順風満帆[ぱん]
正しくは「ジュンプウマンパン」。「帆」を単独で音読みすることがほとんどなく、「ホ」が半濁音化した「ポ」が、訓ではなく音のように聞こえるので「マンポ」になってしまうことがあるのだろうが、これでは「万歩」または「漫歩」に聞こえる。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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