須崎湾(読み)すさきわん

日本歴史地名大系 「須崎湾」の解説

須崎湾
すさきわん

土佐湾奥中央部、しろ(一四二・七メートル)海蔵寺かいぞうじ(一七三・四メートル)に抱かれた幅約四〇〇メートル、奥行約三・五キロの湾。須崎市下分の角谷しもぶんのかどや岬と、海蔵寺山西麓の山崎やまさき鼻の間が湾口となっている。山崎鼻下方には高碆たかばえといわれる巨岩があり、人が端座する様に似る。

湾奥部は津野氏時代に塩浜が築かれ、津野氏領の重要な塩の供給地であった。しかし天正一六年(一五八八)の津野多郷地検帳に「新塩タ」とみえるように、一六世紀には塩田(新田)として開拓されていたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「須崎湾」の意味・わかりやすい解説

須崎湾
すさきわん

高知県、土佐湾のほぼ中央にある小湾。別称錦浦湾(きんぽわん)。南東部にハマチ養殖が盛んな野見湾を付属させる。土佐湾随一の自然の良港で、角谷(かどや)岬以北の須崎港のある湾奥部は狭長で、津波高潮の害も少ない。須崎港は市街地の主岸壁のほか、セメント工場専用の大峰岸壁、角谷岬付近の石灰石積出し専用岩壁などもある。変化に富むリアス海岸一帯は須崎湾県立自然公園に指定されている。

[大脇保彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「須崎湾」の意味・わかりやすい解説

須崎湾
すさきわん

高知県中部,土佐湾中部の支湾。湾奥部が狭長なため,古来,津波や高潮の被害をしばしば受けた。リアス海岸で,水深が大きく,重要港湾の須崎港が湾奥部にある。県下唯一の大型船避泊地で,西の角谷岬に接して石灰石積出し用専用岸壁などが整備されている。須崎湾の南東には野見半島,戸島,中ノ島などに囲まれた野見湾があり,ハマチなどの養殖が行われる。須崎,野見湾周辺は景勝に富み須崎湾県立自然公園に属する。

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