出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
高知県中央部の市。1954年市制。人口2万4698(2010)。南部は須崎湾,野見湾,浦ノ内湾が湾入する。東隣の土佐市域にかけて東西に入江の連続する浦ノ内湾は俗に〈横浪三里〉と呼ばれ,風光にめぐまれ,明治期から真珠養殖も行われていたが,現在は野見湾とともにハマチの養殖が盛ん。北部は山地が広がり,中央の蟠蛇森(ばんだがもり)(769m)と東の虚空蔵山(675m)の間を桜川が南流,西からは新荘(しんじよう)川が流れて須崎湾に注ぐ。平安末期にはこの両川流域に京都下鴨神社領の津野荘が成立,中世に一帯を支配した津野氏は須崎に居城した。須崎は古くは〈洲崎〉とも記されたように砂州上に発達,戦国期には市町が形成され,高岡郡の中心地であった。須崎港は津野荘の年貢や後背地の産物の積出港であり,近世には漁業基地であった。水深のある良港で,1965年重要港湾,69年貿易港に指定され,セメント,石灰石などを輸出する。また外材輸入の増加により71年には外材検疫特定港の指定も受けた。JR土讃線が通り,高知自動車道のインターチェンジがある。池ノ内を中心にキュウリなど施設園芸も盛ん。1863年(文久3)土佐藩が須崎海岸に設けた砲台跡は国の史跡。浦ノ内湾に臨む鳴無(おとなし)神社は俗に〈土佐の宮島〉と呼ばれ,社殿は重要文化財。
執筆者:正木 久仁
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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