預言者のモスク（読み）ヨゲンシャノモスク（その他表記）Masjid al-Nabī

デジタル大辞泉

よげんしゃ‐の‐モスク【預言者のモスク】

《Al Masjid al Nabawi》サウジアラビア西部の都市メジナにあるイスラム寺院。622年、ムハンマドがメッカより移住（ヒジュラ）した後に建てられ、イスラム教徒の拠点として利用された。ムハンマドの墓があり、100万人にのぼる巡礼者を収容できる。マスジッドアルナバウィ。

出典　小学館

改訂新版　世界大百科事典

預言者のモスク (よげんしゃのモスク)
Masjid al-Nabī

メッカの聖モスクに次いで歴史的・宗教的に重要なモスク。622年，預言者ムハンマド自身によりメディナの住居に接して建造された。以後，改築・再建を重ね，現在のモスクは，マムルーク朝のスルタン，カーイト・ベイのとき（1483）に再建され，オスマン・トルコ時代に修復されたものである。最初は，荒石，日乾煉瓦，ナツメヤシの幹や葉などでつくられた単純なプランの素朴な礼拝室にすぎなかったが，後代のモスクのモデルとなった点で重要である。
執筆者：杉村 棟

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

預言者のモスク
よげんしゃのモスク
Mosque of the Prophet

メッカの聖モスクに次いで歴史的，宗教的に重要なモスク。 622年，預言者ムハンマド自身によりメジナの住居に隣接して建造された。最初は，荒石，日干し煉瓦，ナツメヤシの葉などで造られた素朴な礼拝室にすぎなかったが，増改築を重ね，現在のモスクは，1483年マムルーク朝のスルタン，カーイト・ベイの時代に再建され，オスマン帝国時代に修復されたものである。後代のモスクのモデルとなった重要なモスクである。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内の預言者のモスクの言及

【メディナ】より

…預言者ムハンマドが没した地で，現在でも彼の墓廟がある。その墓廟は預言者のモスクと呼ばれる豪壮な建造物の一隅にあり，モスク自体は生前のムハンマドの住居兼モスクの位置にあたる。　市街は南から北に向かう緩い斜面をなす平原のなかにあり，平原の東西は溶岩台地で区切られ，北は山並みによって区切られている。…

※「預言者のモスク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」