百科事典マイペディア 「領主裁判権」の意味・わかりやすい解説 領主裁判権【りょうしゅさいばんけん】 西欧封建時代に土地(荘園)領主が荘園の慣習法に基づいて行使した裁判権。マルクス経済学では農奴を根幹とする荘園農民から剰余生産物を収取するための経済外的強制の手段とされる。この権利は下級騎士や教区司祭など最下層の領主も保持した。定期的な荘園裁判(農事裁判集会)は,主宰者(議長)たる領主または荘司と,陪審員たる荘園農民で構成,犯罪の裁判のほか賦役割当てや農耕の日程を決定した。自由土地保有農は国王の公的裁判所の管轄に服した。→関連項目グーツヘルシャフト|封建的生産様式 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報 Sponserd by
旺文社世界史事典 三訂版 「領主裁判権」の解説 領主裁判権りょうしゅさいばんけん 中世ヨーロッパで荘園領主が農民に対してもった裁判権本来は土地保有関係についての裁判権であるが,実際には荘園における人間関係にもおよび,領主が荘園体制を維持するために最も有効な経済外強制であった。また,経済関係消滅後も封建遺制として残存。なお,教会も領内の農民に対して領主裁判権を行使した。 出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報 Sponserd by