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経済外的強制 ケイザイガイテキキョウセイ

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デジタル大辞泉の解説

けいざいがいてき‐きょうせい〔ケイザイグワイテキキヤウセイ〕【経済外的強制】

封建社会で、土地所有者である領主が農民から封建地代を徴収するために発動する直接的な強制力。領主裁判権と武力を背景に、身分的支配と土地への縛りつけを前提とする。

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百科事典マイペディアの解説

経済外的強制【けいざいがいてききょうせい】

本来,マルクスが封建的搾取関係を特徴づけた概念であり,領主・地主が直接生産者としての農民から封建地代を徴収するために発動する,経済外的な直接の強制力(身分的従属,土地緊縛,領主裁判権など)をさす。
→関連項目農民解放封建制度封建的生産様式封建的土地所有領主裁判権領主制

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世界大百科事典 第2版の解説

けいざいがいてききょうせい【経済外的強制 ausserökonomischer Zwang[ドイツ]】

封建社会の基本的階級関係である領主と農民との関係をみると,領主が土地を領有し,生産者たる農民は,その領主の土地を分有(保有)して耕作している。領主はその領有権(上級所有権)に基づいて,農民から封建地代を収取するのであるが,この地代収取を実現するための方法の本質的特徴をなすものが,経済外的強制である。マルクスは,この特徴を,資本主義の場合と対比することによって明らかにした。すなわち,資本主義の下では,労働者は自分の労働力を資本に売って賃金という代価を受け取るが,このとき労働者の剰余労働は,労働力売買という商品交換の経済法則によって,強制なしに資本に収奪されていく。

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大辞林 第三版の解説

けいざいがいてききょうせい【経済外的強制】

農民に対する封建領主の収奪が経済法則や経済システムを通じてなされるのではなく、強制力によってなされること。社会的・身分的拘束、農民の土地への緊縛などの形態を通じて行われた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

経済外的強制
けいざいがいてききょうせい
auerkonomischer Zwangドイツ語

資本主義社会においては、剰余労働の収取は、労働力という商品の売買、つまり商品交換の法則性(経済法則)を媒介として行われるが、資本主義以前の封建社会においては、労働力が商品化されていないので、剰余労働の収取は商品交換の法則性によって媒介されることがない。封建社会において剰余労働の収取を媒介するものが経済外的強制である。
 すなわち、封建社会においては、支配者たる領主は、その所領の全体に対する上級所有権者として各種の領主的諸権利を所持しているが、直接生産者たる農民は、それぞれ、一定の広さの土地の保有者(下級所有権者)であり、その保有地を自己の労働に基づいて経営することによって自己を再生産している。このように、直接生産者たる農民が事実上その生産手段と不可分に結合している場合には、領主が農民の剰余労働を封建地代として収取しようとすれば、領主は、その領主的諸権利という、経済外的な強制力を発動するほかはない。したがって、封建社会においては、封建的な権利・義務の関係という形をとった経済外的強制が剰余労働の収取を媒介しているのである。その強制力は、直接の暴力として現れる場合もあるが、多くは、封建的身分規定に基づく一定の慣習として現れ、領主裁判権がその強制力に法的な保障を与えることになる。[遅塚忠躬]
『高橋幸八郎著『市民革命の構造』(1950・御茶の水書房) ▽マルクス著『資本論』第3巻第6編第47章(向坂逸郎訳・岩波文庫/岡崎次郎訳・大月書店・国民文庫)』

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世界大百科事典内の経済外的強制の言及

【封建地代】より

…封建社会では,個々の領主の支配する所領(荘園)が生産関係の基本単位をなしており,そこでは,直接生産者たる農民および手工業者などはそれぞれ生産手段(土地および用具など)と結合しており,領主は,その所領全体の封建的土地所有者として,それら直接生産者を支配している。そして,直接生産者の剰余労働ないし剰余生産物(自分と家族の維持に必要な部分を除いた剰余部分)は,経済外的強制(領主の行使する武力や裁判権や慣習など)によって,領主の手中に徴収されるのであり,こうして徴収された剰余労働ないし剰余生産物の総体が封建地代なのである。封建地代の形態としては,労働地代(賦役労働),生産物地代,貨幣地代の3者があり,歴史的にはこの順序で推移するが,二つまたは三つの形態が複合している場合もある。…

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