領外婚姻税(読み)りょうがいこんいんぜい(その他表記)droit de formariage フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「領外婚姻税」の意味・わかりやすい解説

領外婚姻税
りょうがいこんいんぜい
droit de formariage フランス語

農奴が領地以外の者と結婚する際に、領主によって課せられた税。結婚税ともいう。封建法上、農奴が他領主の女農奴または身分違いの女自由人と結婚することは禁止されていたが、実際には、一定貢租(その形式は多様)を支払うという条件によって、当該領主の認可を得ることができた。この条件はしだいに緩和され、16世紀には農奴身分にのみ特徴的課税とは考えられなくなった。

[井上泰男]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「領外婚姻税」の解説

領外婚姻税(りょうがいこんいんぜい)
formariage

西欧封建社会で,婚姻により農奴領外に去る際に領主が徴収した租税労働力の領外流出防止を目的としたが,ふつう持ち出し家具の数パーセント程度。13世紀以降,領外婚姻の増加とともに,領主間協定または農奴解放により廃止された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「領外婚姻税」の意味・わかりやすい解説

領外婚姻税
りょうがいこんいんぜい
formariage

ヨーロッパ封建時代の人身賦課の一つ。農奴が領主の領地以外のところに住む者と結婚しようとするとき,あるいは領内であっても農奴以外の者と結婚しようとするとき,領主の認可を受ける必要があったが,この際認可料としてこの税が課された。この負担有無が農奴であるか否かの指標となった。

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