頤和園、北京の皇帝の庭園(読み)いわえん、ペキンのこうていのていえん

世界遺産詳解 の解説

いわえん、ペキンのこうていのていえん【頤和園、北京の皇帝の庭園】

1998年に登録された中国の世界遺産(文化遺産)。頤和園(イホウイワン)は、首都北京の中心部から北西へ15kmほどの海淀区にある、中国最大級の宮廷庭園。もともとは1153年に建造された皇帝離宮だった。清の時代の1750年、ここに本格的な離宮が築かれた。その後、清はアロー戦争(1857~1860年)で英仏連合軍と戦ったが、この離宮は北京に進撃した英仏連合軍によって破壊されたことから、西太后が1891年に再建して頤和園と名づけ、自身の避暑地(避暑山荘)とした。承徳の避暑山荘、蘇州拙政園と留園(ともに世界遺産)とともに中国四大名園の一つに数えられている。清はこの離宮再建のすぐ後に、日清戦争で敗北国力を大きく衰退させることになる。その敗因の一つとされているのが、1894年9月に清の北洋艦隊と日本の連合艦隊との間で行われた黄海海戦の敗北だが、この海戦の敗北は政府が進めていた北洋海軍整備のための海軍予算を西太后が削減し頤和園再建に流用したことが原因ともいわれている。◇英名はSummer Palace, an Imperial Garden in Beijing

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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