頭振(読み)あたまふり

百科事典マイペディア 「頭振」の意味・わかりやすい解説

頭振【あたまふり】

北陸の金沢(かなざわ)藩とその支藩,および能登(のと)国に散在した土方(ひじかた)藩領で用いられた無高(むだか)百姓呼称海村山村,および村に属す港・宿場門前などの都市的な場所に居住。無高のため水呑(みずのみ)同様に貧農雑業層と見なされがちだが,大工・桶屋などの職人,酒屋・他国商など商人漁師・船持などを含み,能登国鳳至(ふげし)郡時国(ときくに)村で日本海交易を営む大廻船人芝草屋も頭振であった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「頭振」の意味・わかりやすい解説

頭振
あたまふり

江戸時代金沢藩領の無高 (むたか) 農民のこと。同藩では高持百姓分割相続が限定されていたので,その子弟は小作その他の雑業で生計を立てなければならなかった。したがって租税負担も軽く,社会的地位も低かったのでこう呼ばれた。また行政上農村とされた宿場,在郷町の無高町人も同じように頭振と呼ばれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「頭振」の意味・わかりやすい解説

頭振
あたまふり

金沢藩における無高(むだか)百姓の俗称。天領の水呑(みずのみ)百姓にあたる。

[編集部]

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