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飛込競技 とびこみきょうぎ

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百科事典マイペディアの解説

飛込競技【とびこみきょうぎ】

水泳競技の一種。ダイビングdivingとも。飛込みの演技を,助走,踏切,空中姿勢,入水の正確さ等について採点し,その技術・優美さを競う。飛板飛込み高飛込みがある。
→関連項目水泳

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世界大百科事典 第2版の解説

とびこみきょうぎ【飛込競技 diving】

水上競技の一種で,ダイビングともいう。飛込台から水面に達するまでの技術,優美さを競う。飛板飛込み高飛込みに大別され,飛板飛込みでは1mまたは3mの高さに設けられた弾力性のある飛板springboardを使用する。国際試合などでは男子11種目(制限選択飛び5,自由選択飛び6),女子10種目(制限選択飛び5,自由選択飛び5)が行われる。高飛込みは5m,7.5mまたは10mの固定した台platformから飛ぶ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

飛込競技
とびこみきょうぎ

水泳競技の種目の一つ。飛板飛込(とびいたとびこみ)と高飛込(たかとびこみ)があり、そしてそれぞれに個人競技種目とシンクロナイズド・ダイビングがある。飛板飛込は、水面からの高さが1メートルあるいは3メートルの、弾力のある飛板を使用し、この弾力を巧みに利用して行う演技で、柔軟で優美な点が特徴である。高飛込は、水面からの高さが5メートルか7.5メートル、あるいは10メートルの、固定した飛込台から行うもので、その高さを利用し、また、それを克服して行う演技で、豪壮な点が特徴である。シンクロナイズド・ダイビングは、2名の競技者が同時に演技を行う。3メートル飛板飛込と10メートル高飛込の二つの競技があり、見どころは、それぞれの競技者の技術的評価とともに、両競技者の演技動作がすべて同調しているかを競い合うところにある。オリンピック大会の飛込競技では、男女ともに3メートル飛板飛込と10メートル高飛込、およびシンクロナイズド・ダイビング(3メートル、10メートル)が行われる。[岩佐道雄・小山俊治・末弘昭人]

発祥・変遷

飛込の発祥は比較的新しく、18世紀の中ごろに、体操の盛んなヨーロッパの国々(デンマーク、スウェーデン、ドイツなど)より始まったといわれている。その後、スポーツとして競技の形態が整い、アメリカにおいて急速な進歩を遂げた。オリンピックにおいては1904年第3回セントルイス大会で男子が、1912年第5回ストックホルム大会で女子が採用された。シンクロナイズド・ダイビングは2000年第27回シドニー大会からの実施である。
 日本においては古来、武道として伝承されてきた日本泳法(古式泳法)のなかの一つの技として飛込が行われてきたが、近代飛込(飛込競技)の技とはまったく異質である。近代飛込が行われるようになったのは、大正末期のころからである。欧米諸国の影響を受けて、飛込専用のプールの建設と、それに伴う外国選手の来日、国際競技の開催などにより、水泳競技における公式種目となって急速に普及、発達した。[岩佐道雄・小山俊治・末弘昭人]

活躍した選手たち

日本が最初にオリンピックの飛込競技に参加したのは、1928年(昭和3)第9回アムステルダム大会で、飛板飛込に高階富士夫(たかしなふじお)が出場して9位の成績を残している。次の第10回ロサンゼルス大会では小林一男(こばやしかずお)が飛板飛込で6位に入賞、ついで第11回ベルリン大会では惜しくもメダル獲得は逸したが、柴原恒雄(しばはらつねお)が飛板飛込で、大澤禮子(おおさわれいこ)が高飛込で、それぞれ4位に入賞という好成績を残している。
 第二次世界大戦後、日本がオリンピック大会に参加したのは1952年(昭和27)の第15回ヘルシンキ大会からである。その後も飛込競技においては、オリンピック大会には少数精鋭で挑み、現在まで継続して参加している。その間に入賞した選手をあげると、1992年(平成4)の第25回バルセロナ大会の高飛込で金戸恵太(かねとけいた)が8位、1996年第26回アトランタ大会の飛板飛込で元渕幸(もとぶちゆき)が6位に入賞している。さらに2000年第27回シドニー大会では寺内健(てらうちけん)が飛板飛込で8位に高飛込で5位に入賞、2004年(平成16)第28回アテネ大会でも飛板飛込において8位に入賞した。また、2001年第9回世界選手権福岡大会では寺内が飛板飛込で銅メダルを獲得、10メートルシンクロナイズド・ダイビングに出場した宮嵜多紀理(みやざきたきり)・大槻枝美(おおつきえみ)組も銅メダルを獲得した。
 なお、オリンピックにおける入賞制度の基準は1980年第22回モスクワ大会までは6位以内の競技者が入賞とされていたが、1984年第23回ロサンゼルス大会からは8位までが入賞となっている。[岩佐道雄・小山俊治・末弘昭人]

飛込技術の進歩

飛込演技種目の変遷と技術の発達については、飛板の品質・改良に負うところが非常に大きい。
 初期においては、木製(ヒノキ、マツなど)の飛板を使用していたが弾力もそれほど大きくはなく、演技種目も比較的シンプルなものが多かった。その後1960年ごろから金属製のものがつくられ、その弾力が大幅に強くなり、ことにアメリカでジュラルミン軽合金製の飛板が開発されると、飛躍的な進歩をみせた。また、飛板の弾力性が大きくなったことに加えて、スパッティング付きのトランポリンやスポンジを敷き詰めたドライピットなどの練習器具・施設を使った新しい練習方法の導入によって、演技種目についても大きく進歩し、現在は、前宙返り4回半や後踏切前宙返り4回半、前宙返り2回半3回捻(ひね)りなどの難易度の高い演技を選択する競技者が増えてきている。
 飛込競技では、入水角度が垂直に近くて水しぶきが立たないのがよいとされているが、1980年代には中国チームがほとんど水しぶきの立たないノースプラッシュ技術を導入、入水技術も格段に進歩して、近年ではノースプラッシュでないと得点が伸びないほどあたりまえの技術になっている。[岩佐道雄・小山俊治・末弘昭人]

演技の特殊性と演技種目


踏み切りと演技の方向
踏み切りの方法と飛び込む方向によって次の六つの群(グループ)に分類されている。
(1)第一群―前飛込 台または飛板から前方に向かって踏み切り、前のほうへ飛び込むもの。
(2)第二群―後飛込(うしろとびこみ) 台または飛板の先端に後ろ向きに立ち、踏み切って後ろの方向へ飛び込むもの。
(3)第三群―前逆飛込(まえぎゃくとびこみ) 前方に向かって踏み切り、台または飛板のほうへ逆に返るように飛び込むもの。
(4)第四群―後踏切前飛込(うしろふみきりまえとびこみ) 台または飛板の先端に後ろ向きに立ち、踏み切って、台または飛板のほうへ内向きに飛び込むもの。
(5)第五群―捻り飛込 上記踏み切り方向に関係なく空中で身体を捻りながら飛び込むものすべて。
(6)第六群―逆立ち飛込(さかだちとびこみ) 台の先端に逆立ちしたあとに飛び込むもの。ただし、これは高飛込のみで、飛板飛込にはない。
 以上、飛板飛込の演技種目は第一群より第五群まで合計94演技種目、高飛込の演技種目は第一群より第六群までで、合計116演技種目が定められている(2012年3月時点)。これらの演技種目には、それぞれに固有の「演技種目番号」が設定されている。[岩佐道雄・小山俊治・末弘昭人]
演技の型
空中姿勢によって次の四つの型に分類されており、それぞれの飛込演技種目はかならずこのいずれかの型によって行われる。
(1)伸び型 腰や膝(ひざ)を曲げず身体を伸ばし、手先から足先までよく伸ばした型。
(2)蝦型(えびがた) 身体を腰で二つに深く折り曲げて、膝とつまさきをよく伸ばしたエビのような型。
(3)抱型(かかえがた) 腰、膝を曲げ、下肢を両手で抱えてつまさきをよく伸ばし、身体全体をできるだけ小さく縮めた型。
(4)自由型 宙返りを伴う捻り演技の場合で、前の三つの型のいずれかを、空中でいずれの時期に取り入れてもよい。[岩佐道雄・小山俊治・末弘昭人]
難易率
演技種目にはそのむずかしさ、やさしさの程度に応じて難易率という乗数が定められており、得点計算に用いられる。最も低い演技種目では1.2から設定されている。宙返りや捻りの数0.5回転ごとに難易率は高くなる。トップクラスでは難易率が3.0から3.8くらいまでの演技種目をそろえて競技会に参加する選手が多いが、世界には難易率が4.1の演技種目を選択する選手も増えてきた(2012年3月時点)。[岩佐道雄・小山俊治・末弘昭人]

審判と採点

飛込競技は1名の審判長と数名の審判員(飛板飛込・高飛込は7名または5名、シンクロナイズド・ダイビングは11名または9名)によって演技を採点する。審判員は飛込プールの両側に適当な間隔を置いて座席を配置し、競技者の行った演技の難易率は考慮に入れず、そのできばえだけに対して各自の主観により採点し、0点から10点までの点数を0.5点刻みに表示する。審判長は個々の採点を行わずに競技全般を統轄する。
 審判員は、助走、踏み切り姿勢の正しさや確実さ、安定度、演技の頂点の高さ、空中における技術やフォームの美しさ、および入水時の姿勢と入水角度や水しぶきなどを総合的に判断して採点をする。採点の基準は次のとおり。
(1)まったく失敗したもの 0点(申告した演技番号と異なった演技を行った場合も同様である)
(2)失敗したもの     0.5~2.0点
(3)未完成なもの     2.5~4.5点
(4)完成したもの     5.0~6.0点
(5)良好なもの      6.5~8.0点
(6)非常に良好なもの   8.5~9.5点
(7)完璧(かんぺき)なもの 10点[岩佐道雄・小山俊治・末弘昭人]
得点の計算方法
個人競技では、5名審判の場合は審判員が出した点数のうち、最高のものと最低のものをおのおの一つずつ、7名審判の場合は二つずつ除き、残り三つの点数の合計を、まず算出する。このとき、消去されるべき同点の採点が複数ある場合には、そのいずれを消してもかまわない。その合計に、演技種目の難易率を乗じたものがその演技の得点となる。
5名審判員制の場合の計算例
各審判の採点 8.0、7.0、7.0、7.0、6.5
※1審(8.0)と5審(6.5)を削除
21.0(合計値)×3.0(難易率)=63.00(得点)
7名審判員制の場合の計算例
各審判の採点 8.0、7.5、7.0、7.0、7.0、6.5、6.5
※1審(8.0)2審(7.5)と6審・7審(6.5)を削除
21.0(合計値)×3.0(難易率)=63.00(得点)
 シンクロナイズド・ダイビングでは、両競技者の同調性のみを採点する同調性審判員と、それぞれの競技者の演技のみを採点する演技審判員で構成される。
 9名審判の場合はそのうち5名が同調性審判で、4名が演技審判となる。演技審判は2名ずつに分かれて、それぞれの選手の演技を採点する。採点した点数のうち、最高のものと最低のものを演技・同調のそれぞれから除き、残り五つの点数の合計を算出して難易率を乗じ、さらに個人競技の得点とレベルを合わせるために3/5を乗じたものがその演技の得点となる。
 11名審判の場合は11名の審判員のうち5名が同調性審判なのは同じだが、6名の演技審判がそれぞれの選手の演技を3名ずつで採点する。同調性審判の点数から上下の採点を除くほか、演技審判の点数は各選手に与えられた高いものと低いものをそれぞれ除き、残った五つの点数の合計に難易率と3/5を乗じて算出する。
9名審判員制の場合の計算例
各演技審判の採点 競技者A 8.0、7.0  競技者B 7.0、6.5
各同調性審判の採点 8.0、7.0、7.0、7.0、6.5
※ 演技審判の1審(8.0)と4審(6.5)、同調性審判の1審(8.0)と5審(6.5)を削除
35.0(合計値)×3.0(難易率)×3/5=63.00(得点)
11名審判員制の場合の計算例
各演技審判の採点 競技者A 8.0、7.0、7.0  競技者B 7.5、7.0、6.5
各同調性審判の採点 8.0、7.0、7.0、7.0、6.5
※ 演技審判の1審(8.0)3審(7.0)と4審(7.5)6審(6.5)、同調性審判の1審(8.0)と5審(6.5)を削除
35.0(合計値)×3.0(難易率)×3/5=63.00(得点)[末弘昭人]
演技の構成
飛込競技において各競技者の行う飛込演技は、選択した演技種目の難易率合計に上限が設定されている制限選択飛と、難易率合計に制限のない自由選択飛とに分けられる。シニアの競技は自由選択飛のみで行われるが、ジュニアの競技は制限選択飛と自由選択飛で構成される。また、制限選択飛・自由選択飛とも、演技種目はおのおの異なった群から選ばねばならない(男子飛板飛込競技では群の数よりも演技数のほうが多いので、1演技種目に限り、群の重複が認められる)。
 飛板飛込競技・高飛込競技とも、男子競技は自由選択飛6演技種目、女子競技は自由選択飛5演技種目に規定されている。また、シンクロナイズド・ダイビングも男子は6演技種目、女子は5演技種目から構成されるが、うち2演技種目は難易率構成表にかかわらず難易率をそれぞれ2.0とみなし、男子4演技種目と女子3演技種目は制限のない自由選択飛である。すべての演技は両競技者ともまったく同じ演技を選択しなければならない。
 なおジュニアにおける制限選択飛の難易率合計は、16~18歳(グループA)と14~15歳(グループB)の3メートル飛板飛込では5演技種目で9.5以内、高飛込では4演技種目で7.6以内に、12~13歳(グループC)の1メートル飛板飛込では4演技種目で7.2以内、高飛込(5メートルと7.5メートルに限定)では4演技種目で7.6以内に、9~11歳(グループD)の1メートル飛板飛込では3演技種目で5.4以内に制限されている(国際水泳連盟のジュニア競技規則では、グループによっては構成する演技数が国内競技規則と違い、グループDは設定されていない)。
 審判員が採点する際は、演技種目の難易率(難しさ)を考慮に入れず演技の完成度(できばえ)だけを対象に採点するが、得点計算に際しては採点の合計に難易率を乗ずるので、高得点を得るためには、完成度の高い演技種目を選択することはもとより、難易率の高い演技種目を選択することも重要である。[末弘昭人]
『日本水泳連盟編『水泳コーチ教本 第2版』(2006・大修館書店)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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