食料・農業・農村基本問題調査会(読み)しょくりょう・のうぎょう・のうそんきほんもんだいちょうさかい

百科事典マイペディア の解説

食料・農業・農村基本問題調査会【しょくりょう・のうぎょう・のうそんきほんもんだいちょうさかい】

1997年4月総理府(現内閣府)内に設置された首相諮問機関。1992年に農林水産省が打ち出した〈新しい食料・農業・農村政策〉の内容を引き継ぐ形で,新基本法制定に向け農業政策の抜本改革を検討。1997年12月に第1次中間報告,1998年9月に最終答申を提出した。 最終答申では,農地取得の規制緩和について,畜産や施設園芸などを行う株式会社に限って,農地取得を認める方針を打ち出した。また,生産とともに水資源確保など環境保全の役割を担う中山間地域の農業に対する所得補償にも積極的な姿勢を示した。一方,中間報告に盛り込まれていた食糧自給率引上げ目標の設定,国内に必要な農地の総量の明確化は,削除あるいは後退した表現にとどまった。また,米輸入の関税化などを話し合う2000年からの次期WTO(世界貿易機関)農業協定交渉への対応など,国際化のもとでの日本農業の展望についてはほとんどふれられていない。この最終答申に沿って農林水産省が新しい農業基本法案を策定し,1999年7月成立した。
→関連項目アグリ・ミニマム総合農政

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