飯塚啓(読み)いいづかあきら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「飯塚啓」の意味・わかりやすい解説

飯塚啓
いいづかあきら
(1868―1938)

動物学者。群馬県生まれ。1897年(明治30)東京帝国大学理科大学動物学科卒業後、旧制第六高等学校教授、東京帝国大学助教授、学習院教授を経て、1932年(昭和7)より東京科学博物館(現、国立科学博物館)の動物学部長を務めた。1910年(明治43)「日本産遊在多毛類分類学的研究」によって理学博士になった。1912年に出版された論文The Errantiate Polychaeta of Japan』(「日本産遊在多毛類」)は今日も高く評価されている。また、『飯塚動物発生学』をはじめ、動物学に関する数多くの教科書を著している。息子飯塚浩二は人文地理学者。

[今島 実]

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20世紀日本人名事典 「飯塚啓」の解説

飯塚 啓
イイヅカ アキラ

明治〜昭和期の動物学者 学習院教授;東京科学博物館動物学部長。



生年
慶応4年6月(1868年)

没年
昭和13(1938)年12月10日

出生地
群馬県

学歴〔年〕
東京帝国大学理科大学動物学科〔明治30年〕卒

学位〔年〕
理学博士〔明治43年〕

経歴
第六高等学校教授、東大助教授を経て学習院教授となる。明治43年「日本産多毛環形動物」「日本産パロロの生態的研究」により理学博士。昭和5年退職、東京科学博物館動物学部長に。環虫類の研究で世界的権威著書に「海産動物学」「飯塚動物発生学」「高等動物学」などがあり、他に数種類の動物学教科書を手がけた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「飯塚啓」の解説

飯塚啓 いいづか-あきら

1868-1938 明治-昭和時代前期の動物学者。
慶応4年6月16日生まれ。六高教授,母校東京帝大の助教授をへて,明治43年学習院教授となる。昭和7年東京科学博物館(現国立科学博物館)動物学部長。ゴカイなど環形動物の分類,分布などの研究で知られた。昭和13年12月10日死去。71歳。上野(こうずけ)(群馬県)出身著作に「動物発生学」「海産動物学」など。

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