20世紀日本人名事典 「飯島宗一」の解説
飯島 宗一
イイジマ ソウイチ
昭和・平成期の病理学者,歌人 名古屋大学名誉教授;広島大学名誉教授。
- 生年
- 大正11(1922)年11月28日
- 没年
- 平成16(2004)年3月1日
- 出生地
- 長野県岡谷市
- 出身地
- 長野県上田市
- 学歴〔年〕
- 名古屋帝国大学医学部医学科〔昭和21年〕卒,名古屋大学大学院医学研究科病理学専攻特別研究生博士課程修了
- 学位〔年〕
- 医学博士
- 主な受賞名〔年〕
- 東海テレビ文化賞(第24回)〔平成3年〕,NHK放送文化賞(第43回)〔平成4年〕,勲一等瑞宝章〔平成8年〕,中日文化賞(第50回)〔平成9年〕
- 経歴
- 昭和27年名古屋大学医学部講師、36年広島大学教授を経て、44年46歳で同大学長に就任。53年名古屋大学医学部教授に転じ、55年医学部長、56年学長。62年退任。被爆病理学の第一人者で原爆傷害の病理学的研究で世界的に知られ、米陸軍に接収されていた被爆直後の解剖資料を日本に返還させ、各地に散らばっていた研究資料を広島大学、長崎大学の資料館に収集・整理した。傍ら、第13期日本学術会議会員として同会議の平和と科学特別委員会委員長を務め、核戦争防止国際医師の会設立に参画するなど平和運動にも力を注ぎ、名大学長在任中の62年には同大は戦争目的の学問研究と教育に従わないとした平和憲章を制定。また中教審委員、学術審委員、大学設置審委員など国の教育政策に関わる委員を歴任、59年には臨教審委員となり、第4部会長を務めた。平成3〜10年愛知芸術文化センター総長。7年第24回日本医学会総会会頭、トヨタ財団理事長なども務めた。著書に「核放射線と原爆症」「広島・長崎の原爆障害」「最新病理学」「現代病理学における構造」「広島・長崎でなにが起ったか」など。一方、アララギ派の歌人で歌集「水薦苅(みこもかり)」があり、64年には歌会始の召人に選ばれた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報