日本大百科全書(ニッポニカ) 「高垣眸」の意味・わかりやすい解説
高垣眸
たかがきひとみ
(1898―1983)
大衆児童文学の作家。本名末男(すえお)、別名青梅二(おうめせきじ)。広島県尾道(おのみち)市に生まれる。早稲田(わせだ)大学を卒業して新国劇の脚本家を志す。女学校教師をしながら少年読み物を書き、1925年(大正14)『少年倶楽部(くらぶ)』に連載した『竜神丸』が人気を得て児童向き時代小説の作家として地位を確立。『快傑黒頭巾(かいけつくろずきん)』『まぼろし城』『銀蛇(ぎんだ)の窟(いわや)』などの作品が有名。欧米の大衆小説の筋立てや構成を日本の過去の時代に翻して書いたものが多い。第二次世界大戦後は千葉県勝浦市で青少年指導に情熱を傾けた。
[上笙一郎]
『加藤謙一著『少年倶楽部時代』(1968・講談社)』
[参照項目] |