高幡郷(読み)たかはたごう

日本歴史地名大系 「高幡郷」の解説

高幡郷
たかはたごう

あさ川下流域の現日野市高幡一帯に比定される中世の郷。高畑・高幡村などとも記される。金剛こんごう寺は当郷域に所在し高幡不動と通称されるが、また「多西郡得恒郷常住金剛寺」(応永二二年二月日「金剛寺不動堂勧進帳」金剛寺蔵)とも記されることから、当郷は得恒とくつね郷に含まれていたか、または同一郷の異称であったかと思われる。

吾妻鏡」建久元年(一一九〇)一一月七日条に源頼朝の上洛時の後陣随兵(三六番)としてみえる「高幡太郎」は当郷在住の御家人で、日奉姓高幡氏と思われる(「日奉氏小川系図写」塩田家旧蔵文書)。建武二年(一三三五)金剛寺不動堂が台風で損壊、修復事業に暦応二年(一三三九)大旦那の高麗助綱が助成し、康永元年(一三四二)六月に本堂(不動堂)一宇本尊・二童子像の修復を完成させている(同年六月二八日「不動明王坐像光背銘」金剛寺蔵)


高幡郷
たかはたごう

和名抄」高山寺本・東急本ともに「多加波多」と訓を付す。「風土記稿」はこの郷名は今郡内に存在しないとして、「隣郡多磨郡に高畑村あり、かの郡中南之方によりて、当郡の端よりは径二里にあまれる所」であるから、高幡郷は多摩たま郡なるべしとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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