挿絵画家。本名は幸吉。愛媛県宇和島市に生まれる。京都市立美術工芸学校の日本画科に学び、花宵と号した。20歳ごろより大衆娯楽誌、女性誌、少年少女雑誌に挿絵を描き始め、号の文字も華宵と改めた。説明性を尊びつつ叙情的な人物や情景を描いた彼の画風は、少年少女をはじめ各層の読者をとらえ、大正末期から昭和初年代にかけてもっとも人気の高い挿絵画家となった。第二次世界大戦後アメリカで暮らしたこともあるが、数年で帰国した。1984年(昭和59)には終焉(しゅうえん)の地である東京都文京区弥生(やよい)町にその画業を記念して弥生美術館が建設された。また、愛媛県東温(とうおん)市には高畠華宵大正ロマン館がある。
[上笙一郎]
『『高畠華宵名作画集』(1967・講談社)』▽『『想いでの華宵絵ごよみ』(1969・ノーベル書房)』▽『高畠華晃著『画家の肖像――高畠華宵の伝記と作品』(1971・沖積舎)』▽『『高畠華宵名画集』(1984・講談社)』▽『『美少年・美少女幻影』(1985・平凡社)』▽『コロナ・ブックス編集部編『高畠華宵・美少年図鑑』(2001・平凡社)』▽『松本品子編『高畠華宵――大正・昭和・レトロビューティー』(2004・河出書房新社)』
大正・昭和期の挿絵画家
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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