コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

髪油 カミアブラ

デジタル大辞泉の解説

かみ‐あぶら【髪油】

髪の形を整え色つやをよくするために頭髪につける(びん)付け油・梳(す)き油など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

かみあぶら【髪油】

頭髪につける油状化粧品。大別すると,髪につやと潤いを与えるものと,整髪を主たる目的にしたものとがある。日本の伝統的化粧品のなかでは,前者には水油,後者には伽羅之油(きやらのあぶら)とよばれていた鬢付油(びんつけあぶら)があった。現代では狭義にはヘアオイル香油であるが,広義にはヘアクリーム,ポマード,チック,ヘアリキッドなどもいう。中国では古くから,ゴマ油やクルミ油を綿にしみ込ませて広口の壺に入れた髪油を,沢(たく)とよんでいた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

かみあぶら【髪油】

髪の色つやをよくし、髪形を整えるために頭髪につける油。梳き油・鬢びん付け油など。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

髪油
かみあぶら

整髪をするために用いる油で、頭髪につやと栄養を与えるもの。これには植物製品と動物製品とがある。わが国では古くはサネカズラ、一名美男葛(びなんかずら)の茎を細かく刻んで、その粘液に水を加えて、頭髪用の油として用いた。またイノシシの油を髪油として使用した例が奈良時代にあるが、これは特殊な例で、多くはサネカズラを使ったと考えられる。また米のとぎ汁が(ゆする)(髪を洗い、くしけずるための用水)として用いられた。髪油の発達は、髪形の変化につれてゴマ、チョウジ、ツバキ、クルミなどの油も使われ、その中でもクルミ油は最高級品とされていた。これらの油は、いずれも水油であったから、のちには香料を加えて梅花香が生まれ、明治時代には井筒油、千代田香油などができた。また江戸時代には、ろうに松脂(まつやに)、香料を混ぜてつくった鬢(びん)つけ油が伽羅(きゃら)油として売り出され、遊里の女たちに人気を博し、また元禄(げんろく)時代(1688~1704)になると、一般の女性の間にも及び、ついには男性の調髪にも用いられるに至った。この伽羅油は髪のつや出しとほつれをなくすために、明治の初めまで使われた。
 明治になって欧風文化がしだいに波及すると、日本髪が不衛生、不便、不経済であるところから、伽羅油をやめて、洗髪後は水油で整え、そのうえ簡単な結髪法である束髪にすべきであるという提唱が、1885年(明治18)大日本結髪改良束髪会からなされた。それ以後、香油による西洋上げ巻き、西洋下げ巻きが多くなり、練り油を使用する日本髪はしだいに減って、特殊な社会にのみ残った。日本髪の美しさは、大正を最後に急速に衰えていくことが、永井荷風の日記のなかにもみられる。
 一方、油性のポマードは、束髪、洋髪の台頭とともにしだいに男性にも女性にも用いられるようになり、断髪姿とともにその使用量は増加した。チックもポマードと歩みを同じくして使われたが、第二次世界大戦後は乳化状のヘアクリームの利用が急速に伸びている。パーマネントの大衆化時代の現代では、植物性油に鉱物性油を加えた水油が好まれ、現代髪油の大半を占めている。[遠藤 武]
『寺島良安著『和漢三才図会』(1970・東京都美術) ▽生川春明著『近世女風俗考』(1895・東陽堂) ▽曳尾庵南竹著「我衣」(『燕石十種 第1巻』所収・1907、79・中央公論社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

髪油の関連キーワードダンコウバイ(檀香梅)白絞り・白搾りコスメティックツバキ(椿)油チック(化粧)おもな慣用句油壺・油壷ひまし油銘銘買ひつばき油不乾性油油を売る鬢つけ油胡麻油白樺油ホホバ日本髪髪形油壺茶油

今日のキーワード

ブラックフライデー

米国などで、感謝祭(11月第4木曜日)の翌日の金曜日のこと。休日とする職場が多く、商店にとってはクリスマス商戦の初日に当たる。「ブラック」は、買い物客による混雑、または黒字を連想させることから。→サイ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

髪油の関連情報