髪長(読み)かみなが

精選版 日本国語大辞典 「髪長」の意味・読み・例文・類語

かみ‐なが【髪長】

〘名〙
斎宮または新年の忌み詞の一つ。僧侶のことをいう。
皇太神宮儀式帳(804)「法師を髪長と云」
女性のこと。
浮世草子・好色一代男(1682)三「名にききし花鳥・八嶋・花川といへる髪長(カミナカ)を定もあへずそこそこ寝て」
俗人のこと。僧侶が剃髪(ていはつ)しているのに対していう。
※俳諧・大坂檀林桜千句(1678)第四「散花の色にみだるる世間寺〈本秋〉 はいりの柳髪なかかある〈由平〉」
髪の毛が長いこと。また、その人。
恋衣(1905)〈与謝野晶子曙染「山の湯や懸想びとめく髪ながの夜姿(よなり)をわかき師にかしこみぬ」

こう‐なが かう‥【髪長】

〘名〙 (「かみなが(髪長)」の変化した語) 僧の異称。〔八雲御抄(1242頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「髪長」の意味・読み・例文・類語

かみ‐なが【髪長】

髪の毛が長いこと。
僧をいう斎宮さいぐう忌み詞
近世語婦人。女性。
「弱々としたる―の戯れ、一生知らずして」〈浮・五人女・五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の髪長の言及

【髪】より

…江戸時代には青森の船乗りは航海中に嵐に遭遇するとマゲを切って静まることを祈り,無事に帰港すると神社に奉納し神に感謝した。 〈髪長(かみなが)〉という言葉は僧や女の忌詞(いみことば)であるが,異常に長い髪は神霊と交霊する巫祝(ふしゆく)の特徴ともされ,こうした神に仕える女性の存在は髪長媛や静御前などの伝説として各地に残されている。髪は神聖視される一方で,婚礼や葬式などのハレの機会に髪を覆いかくす風習もあり,けがれたものともみられていた。…

※「髪長」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android