朝日日本歴史人物事典 「魚屋北渓」の解説
魚屋北渓
生年:安永9(1780)
江戸後期の浮世絵師。岩窪氏。名は辰行,俗称初五郎,金右衛門。別号に拱斎,葵岡などがある。住居は江戸四谷鮫河橋など。もと魚商を営んでいたことから俗に魚屋と呼ばれ,のち自らもそれを号としたと伝える。絵は最初狩野養川院惟信に師事したとされ,のち葛飾北斎に就いて浮世絵を学び,寛政初年ごろから浮世絵師として画壇に登場する。その後は没年近くまで作画活動を続けるが,この間錦絵の作はさほど多く手懸けず,むしろ洒落本,噺本や読本などの版本挿絵をはじめ,狂歌摺物,狂歌絵本などが多い。
(内藤正人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報