鶯張り(読み)ウグイスバリ

デジタル大辞泉 「鶯張り」の意味・読み・例文・類語

うぐいす‐ばり〔うぐひす‐〕【×鶯張り】

木造の床の張り方の一。踏むと床板を留めたかすがいきしり、鶯の声に似た音を出す。京都知恩院のものが有名。

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精選版 日本国語大辞典 「鶯張り」の意味・読み・例文・類語

うぐいす‐ばりうぐひす‥【鶯張】

  1. 〘 名詞 〙 木造床張りの一種。踏めば、床板をとめたかすがいが軋(きし)って、鶯の鳴くような音を発するところからいう。
    1. [初出の実例]「廊下は左甚五郎の作にて鶯張(ウグヒスバリ)と称し歩めば声を発せり」(出典風俗画報‐九四号(1895)知恩院)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶯張り」の意味・わかりやすい解説

鶯張り
うぐいすばり

床板(ゆかいた)を張る際には、表面から釘(くぎ)打ちすると見苦しいので、床板下の根太(ねだ)に目鎹(めかすがい)を取り付けて床板を留めるのが高級な手法である。目鎹は根太に固定され、上部の先端が床板の側面の穴に突き刺さって、床板を留める。そのため、床板の上を歩くと重みで床板が上下し、目鎹の先端と床板とが擦れ合って音が出て、床板をきしませる。その音が鶯の鳴くような感じになるものを鶯張りの床という。寺院邸宅渡り廊下など、人の往来によって多年の間に目鎹の穴が広がり、自然に妙音を発するようになったものが多い。京都知恩院の本堂と付属建造物をつなぐ渡り廊下は有名である。なお、当初から意図して鶯張りとするには、穴の大きさを加減するために試行錯誤を要し、むずかしい。

[工藤圭章]

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