鹵(漢字)

普及版 字通 「鹵(漢字)」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音]
[字訓] しおち・あれち

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
塩を入れる籠状の器に、塩を盛った形。〔説文十二上に「西方の鹹池(かんち)なり。西の省に從ひ、鹽の形に象る。安定(地名)に鹵縣り。東方にては之れを(せき)と謂ひ、西方にては之れを鹵と謂ふ」とあり、〔慧琳音義、二〕に引く文になお「天生を鹵と曰ひ、人生を鹽と曰ふ」の句がある。大鹵は山西晋陽の地に在り、また河内解県の塩池にも岩塩を産し、必ずしも西方の特産でなく、字も西の省形に從うものでなく、籠の形である。西周中期の金文〔免(めんほ)〕に、鹵百箱を賜うことをしるし、春秋期の〔晋姜鼎(しんきようてい)〕に「我に嘉して、鹵(ろせき)千兩を賜ふ」とみえる。(責)は積・績の初文で租貢、塩を租徴としていたのであろう。塩分のある地は農耕に適しないので、荒地の意となり、またすべてものごとの粗笨(そほん)であることをいう。

[訓義]
1. しお、しおち、しおつち。
2. あれち、やせち。
3. おろか、かりそめ。
4. 櫓(ろ)と通じ、たて。
5. 虜(りよ)と通じ、うばう、かすめる。

[古辞書の訓]
名義抄〕鹵 シホカラシ・イシハラ・シバハユシ 〔立〕鹵 シホカラシ・イタシ・カハラ・アカラシ・ヤセタリ・カハラシ

[部首]
〔説文〕に鹹など二字、〔玉〕にまた二十二字を加える。苦鹹・塩味に関する字が多い。

[語系]
鹵laは籠longと同系の語。またlokと声近く、(ろく)も荒目の籠をいい、一系の語である。

[熟語]
鹵塩・鹵鹵獲鹵器鹵汁鹵楯・鹵水鹵奪鹵地鹵田・鹵鈍鹵剽鹵部鹵簿鹵味・鹵鹵掠
[下接語]
塩鹵・瓦鹵・鹹鹵・頑鹵・荒鹵剛鹵・沙鹵・水鹵・斥鹵・鹵・瘠鹵・磧鹵・大鹵・沢鹵・地鹵・土鹵・

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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