黄檗版(読み)おうばくばん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

黄檗版
おうばくばん

黄檗宗鉄眼道光が明の大蔵経 6771巻に訓点を加えて覆刻した大蔵経のことで,鉄眼版とも呼ばれる。鉄眼が大蔵経の開板を思い立ち,寛文9 (1669) 年頃から宇治万福寺を本拠に,ほとんど全国を3度勧財勧募して回り,延宝6 (78) 年夏に完成したもの。現在宇治宝蔵院にその版木がある。

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デジタル大辞泉の解説

おうばく‐ばん〔ワウバク‐〕【黄×檗版】

江戸時代に黄檗宗の僧鉄眼(てつげん)が出版した大蔵経。6956巻。寛文9年(1669)から天和元年(1681)にかけて完成。隠元が持ってきたの万暦版に訓点を加え、翻刻したもの。鉄眼版。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

黄檗版
おうばくばん

江戸時代につくられた木版大蔵経(だいぞうきょう)の一つ。黄檗宗の僧であった鉄眼道光(てつげんどうこう)が大蔵経を板木に刻むという一大事業を企て、全国を行脚(あんぎゃ)して浄財を集め、前後13年を費やして完成したもので、「黄檗版大蔵経」または「鉄眼版大蔵経」という。木版の大蔵経は中国では宋(そう)代以後盛んにつくられ、そのいくつかは日本にも伝えられた。徳川家光(いえみつ)の時代には、わが国最初の木活字による大蔵経が天台宗の僧天海(てんかい)によってつくられた。この「天海版大蔵経」はきわめて限られた部数しか摺(す)られなかったが、その後つくられた黄檗版は全国の各宗寺院に流布し、仏教研究に大きく貢献した。黄檗版は中国明(みん)代の万暦版を覆刻したもので、6956巻からなる。その版木は京都府宇治の黄檗山万福寺(まんぷくじ)に現存し、国の重要文化財に指定されている。[岡部和雄]

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世界大百科事典内の黄檗版の言及

【鉄眼】より

…68年(寛文8)大蔵経の開版を志し,広く募財活動を行って資金を集め,10年の歳月を費やして78年(延宝6)6万余枚の版木を完成し,それを収蔵する宝蔵院を宇治黄檗山内に創建した。これは鉄眼版あるいは黄檗版大蔵経と称され,版木が現存する。江戸青山の開蔵庵(のち海蔵寺)を創建するなど寺院の開創・復興に尽くし,また82年(天和2)の飢饉では大坂の難民1万人余を救済したといわれる。…

【万福寺】より

…1887年には18塔頭,577末寺となり,現在は18塔頭,462末寺を有し,専門道場(僧堂)を設けている。また塔頭宝蔵院には黄檗版一切経(鉄眼版大蔵経)版木4万8275枚(重要文化財)が所蔵されている。境内には財団法人青少年文化研修道場もある。…

※「黄檗版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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