鉄眼道光(読み)テツゲンドウコウ

デジタル大辞泉 「鉄眼道光」の意味・読み・例文・類語

てつげん‐どうこう〔‐ダウクワウ〕【鉄眼道光】

[1630~1682]江戸前期の黄檗おうばくの僧。肥後の人。隠元および木庵師事大蔵経開版を計画し、約10年かかって完成黄檗版鉄眼版とよばれる。また多くの寺を開山・中興し、飢饉ききんの際には難民救済尽力

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精選版 日本国語大辞典 「鉄眼道光」の意味・読み・例文・類語

てつげん‐どうこう‥ダウクヮウ【鉄眼道光】

  1. 江戸前期の黄檗宗の僧。諡号宝蔵国師肥後国熊本県)の人。隠元隆琦およびその弟子木庵に学ぶ。延宝六年(一六七八)、十余年の歳月をかけて「大蔵経」を開刻、また天和飢饉に際しては難民の救済に尽力した。大坂瑞龍寺中興開山。寛永七~天和二年(一六三〇‐八二

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄眼道光」の意味・わかりやすい解説

鉄眼道光
てつげんどうこう
(1630―1682)

江戸前期の黄檗(おうばく)宗の僧。鉄眼版(あるいは黄檗版)大蔵経(だいぞうきょう)の開版で知られる。肥後(ひご)(熊本県)に生まれる。13歳で出家し、のちに京都に出て黄檗宗の隠元隆琦(いんげんりゅうき)や木庵性瑫(もくあんしょうとう)に就いて学ぶ。1668年(寛文8)大蔵経の版木をつくって印刷することを決意し、経典の講義を行うなどしてその資金を集めた。宇治の黄檗山万福寺の寺中に宝蔵院を建て、版木の貯蔵所とし、京都には印房を開いて、開版事業に奔走。1673年(延宝1)、大眉性善(だいびしょうぜん)(1616―1673)より、黄檗山内の塔頭(たっちゅう)(子院)東林庵を譲り受け、宝蔵院をここに移転した。1676年には木庵の法を嗣(つ)ぎその弟子となり、1678年に開版事業を完成させた。この間に、江戸・青山に開蔵寺(のち海蔵寺)を建立し、和泉(いずみ)(大阪府)に瑞竜(ずいりゅう)寺を再興するなどの活動をみせ、1682年(天和2)、近畿地方の大飢饉(ききん)には難民救済に尽力し、同年3月22日に53歳で寂した。

[廣瀬良弘 2017年9月19日]


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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鉄眼道光」の解説

鉄眼道光 てつげん-どうこう

1630-1682 江戸時代前期の僧。
寛永7年1月1日生まれ。黄檗(おうばく)宗。浄土真宗から禅に転じ,長崎で隠元隆琦(りゅうき),木庵性瑫(もくあん-しょうとう)にまなぶ。大坂の瑞竜寺をひらく。全国をまわり資金をあつめ,十余年をついやして天和(てんな)元年鉄眼版(黄檗版)大蔵経(だいぞうきょう)六千九百余巻を刊行。天和2年3月22日死去。53歳。肥後(熊本県)出身。俗姓は佐伯。諡号(しごう)は宝蔵国師。
【格言など】世の中の人名利の酒に酔いてついに正念なく財宝の縄につながれて一生自由ならず

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「鉄眼道光」の解説

鉄眼道光
てつげんどうこう

1630.1.1~82.3.20

江戸前期の黄檗(おうばく)宗の僧。諡号は宝蔵国師。肥後国生れ。はじめ浄土真宗を学び,1655年(明暦元)隠元隆琦(いんげんりゅうき)に参じて禅宗に帰し,木庵性瑫(しょうとう)の法をつぐ。「大蔵経」刊行を発願し,全国を行脚して資財を集め,69年(寛文9)明の万暦版をもとに刊行を開始,81年(天和元)完成した。これを黄檗版大蔵経・鉄眼版という。畿内飢民の救済にも活躍した。女性にむけて説いた「鉄眼禅師仮名法語」などの著述がある。

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旺文社日本史事典 三訂版 「鉄眼道光」の解説

鉄眼道光
てつげんどうこう

1630〜82
江戸前期の黄檗 (おうばく) 宗の僧
肥後(熊本県)の人。1655年長崎で隠元隆琦 (いんげんりゆうき) の門に入り禅を学んだ。'69年明版『大蔵経』の翻版に着手し,'81年完成。これを『鉄眼版』あるいは『黄檗版大蔵経』という。のち大坂慈雲山瑞竜寺の中興開山となった。

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367日誕生日大事典 「鉄眼道光」の解説

鉄眼道光 (てつげんどうこう)

生年月日:1630年1月1日
江戸時代前期の黄檗宗の僧
1682年没

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