黒体放射(読み)コクタイホウシャ

デジタル大辞泉 「黒体放射」の意味・読み・例文・類語

こくたい‐ほうしゃ〔‐ハウシヤ〕【黒体放射】

一定温度に保たれ熱平衡状態にある黒体が発する放射。十分に厚く外部からの放射を通さない壁で囲まれた空洞にごく小さな穴を開け、その内部から放出される熱放射空洞放射といい、黒体放射とみなすことができる。黒体輻射

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百科事典マイペディア 「黒体放射」の意味・わかりやすい解説

黒体放射【こくたいほうしゃ】

黒体が放出する熱放射。実際上は空洞放射により実現される。熱平衡状態にある黒体の単位表面積が単位時間に放出するエネルギーとそのスペクトル分布は温度だけで決まり,1900年プランク量子仮説に基づき導出した式により記述される。またウィーンの変位則シュテファン=ボルツマンの法則が成り立つが,これらはプランクの式から導かれる。
→関連項目キルヒホフの法則熱放射放射量子論レーリー

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最新 地学事典 「黒体放射」の解説

こくたいほうしゃ
黒体放射

black body radiation

すべての波長の放射を完全に吸収・放射する理想的な物質を黒体と呼び,黒体から放射される電磁波を黒体放射と呼ぶ。実際の物質からの放射と,それと同温の黒体からの放射の比を放射率(射出率)と呼ぶ(波長に依存する)。放射率と吸収率は等しく(キルヒホッフ法則),また放射率と反射率透過率を足したものが1となる。黒体とは全ての波長に対して反射率=透過率=0,放射率=吸収率=1となる物質である。黒体放射のエネルギースペクトルを理論的に示したのがプランクの法則である。参考文献田中博(2017) 地球大気科学,共立出版

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参照項目:プランクの法則

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒体放射」の意味・わかりやすい解説

黒体放射
こくたいほうしゃ
black body radiation

黒体が放出する熱放射のことで,黒体の温度だけで定まる。現実に存在する任意の物体放射度は,一般に黒体の放射度よりも小さい。黒体放射のスペクトルはプランクの放射式によって理論的に与えられ,量子論への道が開かれた。

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世界大百科事典(旧版)内の黒体放射の言及

【色温度】より

…色温度とは,完全放射体,すなわち黒体というものを考えて,その温度を変えるとそこから出てくる光の分光エネルギー分布が変化して色が変わってくるということに着目し,色をそれと同じ色を出す黒体の温度で表そうとするものである。黒体放射は諸条件を厳密にコントロールした実験室でないと実現できないので簡単に体験できるものではないが,代りに例えば炭を燃える火の中にほうりこんでみよう。最初,つまり炭の温度の低いときは赤い色をしているが,よく燃えてきて温度が上がってくるとだんだん白っぽくなる。…

【熱放射】より

…熱線ないし赤外線はその一部である。物理学の術語としては,あたえられた温度の黒体(それに当たる電磁波を波長によらず完全に吸収してしまう理想物体)と熱平衡にある電磁波と定義され,黒体放射とも呼ばれる。実際上は,閉じた容器(空洞)の壁を一定の温度まで熱したとき,平衡状態でその中に満ちる電磁波として実現されるので,空洞放射ともいう。…

※「黒体放射」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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