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黒木和雄 クロキカズオ

デジタル大辞泉の解説

くろき‐かずお〔‐かずを〕【黒木和雄】

[1930~2006]映画監督。宮崎の生まれ。戦争レクイエム三部作「TOMORROW/明日」「美しい夏キリシマ」「父と暮せば」では、静かな反戦思想をにじませて大きな感動を呼んだ。また「TOMORROW/明日」は芸術選奨文部大臣賞を受賞。他に「竜馬暗殺」「祭りの準備」「浪人街」など。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

黒木和雄 くろき-かずお

1930-2006 昭和後期-平成時代の映画監督。
昭和5年11月10日生まれ。昭和29年岩波映画に入社。37年フリーとなり,「あるマラソンランナーの記録」など記録映画をとる。のち劇映画にすすみ,作品に「竜馬暗殺」「祭りの準備」などがある。平成元年「TOMORROW/明日」で芸術選奨,キネマ旬報賞監督賞。平成18年4月12日死去。75歳。宮崎県出身。同志社大中退。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

黒木和雄
くろきかずお
(1930―2006)

映画監督。昭和5年11月10日、現在の宮崎県えびの市生まれ。満州(現、中国東北部)で育つ。同志社大学法学部を卒業。学生時代には日本共産党の山村工作隊に参加。1954年(昭和29)に岩波映画製作所で助監督になり、1958年に監督になる。主として企業PR映画をつくるが、それをしばしば前衛的な実験映画のような作品にして注目される。1966年に、映像によるファンタジーのような『とべない沈黙』で長篇のフィクションに進出する。さらには、日本アート・シアター・ギルド(ATG)でつくった『竜馬暗殺』(1974)、『祭りの準備』(1975)で野心的な作風が認められるが、監督として大成したのは、「戦争レクイエム三部作」とよばれる3作によってであった。それは、原爆投下前日の長崎の一日を描いた『TOMORROW 明日』(1988)、自身の少年時代の敗戦の体験を掘り下げた『美しい夏キリシマ』(2002)、原爆で生き残った広島の女性が爆死した父親の霊と問答するという喜劇の形式をとった『父と暮せば』(2004)であり、まことに悲痛な思いのこもった一連の秀作である。平成18年4月12日没。[佐藤忠男]

資料 監督作品一覧

海壁(1959)
洗う・奥様手帳(1959)
ルポルタージュ 炎(1960)
恋の羊が海いっぱい(1961)
わが愛 北海道(1962)
日本10弗旅行(1962)
太陽の糸(1963)
あるマラソンランナーの記録(1964)
他人の血(1965)
とべない沈黙(1966)
椅子を探す男(1968)
キューバの恋人(1969)
日本の悪霊(1970)
竜馬暗殺(1974)
祭りの準備(1975)
原子力戦争 Lost Love(1978)
夕暮まで(1980)
風の歌を聴け(1981)
泪橋(1983)
TOMORROW 明日(1988)
浪人街(1990)
スリ(2000)
美しい夏キリシマ(2002)
父と暮せば(2004)
紙屋悦子の青春(2006)
『阿部嘉昭・日向寺太郎編『映画作家黒木和雄の全貌』(1997・フィルムアート社) ▽佐藤忠男著『黒木和雄とその時代』(2006・現代書館) ▽黒木和雄著『私の戦争』(岩波ジュニア新書)』

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