昔話。〈おむすびころりん〉〈鼠の餅つき〉とも呼ばれる。善良な爺が,取り落としただんごや握飯や焼餅を追いかけていくうちに穴に入り,地中の鼠の浄土に至る。そこには歌をうたいながら,多くの鼠が餅をついている。爺は歓待されて土産に餅,金銀,呪宝などを授けられる。それをうらやんだ婆が,わざとだんごなどを転がして鼠の浄土に行く。歌をうたう鼠を猫の鳴き真似をして驚かす。するとすべてが消え去り,婆は何も得られず地中に埋もれる。ここには人真似をする者が常に懲罰を受けるという日本の昔話における基本的な理念が示される。爺を浄土に導くだんごや握飯などは,ハレの日に用意される食物であり,鼠が穀霊神としてまつられる例があることは,注目すべきである。現に土間の隅や囲炉裏端の穴,米倉の鼠穴が,浄土や常世(とこよ)に通じていると信じられている地方もある。この昔話の冒頭が笑話化されて〈団子浄土〉とも呼ばれる。
執筆者:野村 敬子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新