龍花関(読み)りゆうげのせき

日本歴史地名大系 「龍花関」の解説

龍花関
りゆうげのせき

天安元年(八五七)相坂おうさか(逢坂)大石おおいしとともに新しく三関として設置された関。奈良時代の三関(愛発・不破・鈴鹿)東国北国への防備ラインとして設置されたが、延暦八年(七八九)交通の妨げになるとして廃止され、以後は非常時に固関使が派遣されるのみとなっていた。平安遷都に伴う交通体系の変化で弘仁元年(八一〇)には相坂を加えた新三関が成立(「日本後紀」同年九月一〇日条)、相坂関が京都の防備を直接担うものとなったのに対し、「文徳実録」天安元年四月二三日条によると弘仁の三関に替え、相坂・大石と「龍花」に固関鎮護の処置がとられている。これは当時近江介であった紀含守の上請によるもので、飢饉・疫病の続発による民政の乱れや世情不安、それに伴う京中の盗賊横行に対する治安の強化をはかるものであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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