坂本 清馬(読み)サカモト セイマ

20世紀日本人名事典 「坂本 清馬」の解説

坂本 清馬
サカモト セイマ

明治〜昭和期の社会運動大逆事件被告



生年
明治18(1885)年7月4日

没年
昭和50(1975)年1月15日

出生地
高知県室戸市

別名
号=坂本 克水

経歴
明治39年上京、砲兵工廠の警夫となり、翌年幸徳秋水の書生。41年「熊本評論」記者。同年錦輝館赤旗事件が発生、帰京して幸徳方に寄食したが、意見の対立で飛び出し各地を放浪。43年再上京、下谷の佐藤庄太郎方を訪ね、爆裂弾の製法を尋ねた。これだけの理由で同年逮捕され、44年1月18日、幸徳らと共に大逆罪で死刑判決(大逆事件)。特赦無期懲役に減刑され秋田刑務所で服役。昭和9年仮出所、22年特赦で復権、26年高知県中村町会議員。獄中から再審請求したが果たさず、36年刑死した森近運兵の妹栄子と連名で正式に再審請求したが40年棄却、特別抗告も42年に棄却された。著書に「大逆事件に生きる」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「坂本 清馬」の解説

坂本清馬 さかもと-せいま

1885-1975 明治-昭和時代の社会運動家。
明治18年7月4日生まれ。39年上京,幸徳秋水らの運動にかかわる。大逆事件で死刑判決をうけるが,特赦で無期懲役。昭和9年仮出所。戦後,大逆罪廃止によって刑を免除される。再審請求,特別抗告はともに棄却された。昭和50年1月15日死去。89歳。高知県出身。高知第二中学中退。号は克水。自伝に「大逆事件を生きる」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「坂本 清馬」の解説

坂本 清馬 (さかもと せいま)

生年月日:1885年7月4日
明治時代-昭和時代の社会運動家;政治家。高知県中村町会議員
1975年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の坂本 清馬の言及

【大逆事件】より

…表のように幸徳秋水(伝次郎)ら24名は大逆罪により死刑,2名は爆発物取締罰則違反の有期懲役で,大審院一審のみの終審となった。翌19日坂本清馬ら12名は明治天皇の特赦により無期懲役に減刑された。1月24日午前8時の幸徳に始まり,30~40分おきに11名が市谷の東京監獄刑場において死刑の執行をうけ,管野スガのみ翌朝死刑となった。…

※「坂本 清馬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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