蘇芳染(読み)すおうぞめ

精選版 日本国語大辞典 「蘇芳染」の意味・読み・例文・類語

すおう‐ぞめスハウ‥【蘇芳染】

  1. 〘 名詞 〙 蘇芳の木の煎汁で染めること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「下仕十人麹塵五重唐衣・紅袙・打袴・蘇芳染袙・山吹袙」(出典:御堂関白記‐長和元年(1012)閏一〇月二七日)
    2. 「紅の衣に蘇芳染の水旱の重ねたる袖口の差出たれば」(出典:今昔物語集(1120頃か)二九)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蘇芳染」の意味・わかりやすい解説

蘇芳染
すおうぞめ

植物染料による染色一種スオウ木質を煎じて染料とする。媒染剤を使用しない色は黄褐色媒染灰汁を用いると紫赤色,明礬 (みょうばん) で赤色,鉄分で紫色それぞれ発色する。上代にいう蘇芳染は灰汁を用いた紫赤色のものをさす。

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